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台北大学人文学部、立教大学観光学部共同主催
日本華僑華人研究学会 関連企画

 アジア太平洋地域の華人文化と文学研究を促進するため、台北大学人文学部と立教大学観光学部は「華人文化と文学」国際シンポジウムを共同開催します。日程は、2010年2月22日(月)・23日(火)、場所は立教大学新座キャンパス6号館3階636ロフト2教室です。このシンポジウムは使用言語を中国語とし、日本、台湾、マレーシア、シンガポール等の華人研究者が結集し、華人文化と文学の問題を議論し、国際的な学術交流の場ともなります。
 この会議のテーマは華人文化と文学を中心に、社会、歴史、言語の問題を含み、発表論文は中国語で、分量に制限はありません。2010年1月16日(土)までに論文の題目を、2010年2月13日(土)までに完成原稿をお送り下さい。

立教大学観光学部交流文化学科 教授 舛谷鋭
台北大学人文学部中国文学科 教授 陳大為

連絡方法:〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-16 立教大学観光学部 舛谷研究室
Email:masutani[at]rikkyo.ac.jp

陳嘉庚科学賞

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1988年の今日、北京で陳嘉庚基金会が創設された。中国情報局のコラムで知る。私と中田英寿の誕生日でもある。ゴム王・陳嘉庚(ちんかこう/タンカーキー)はメディア王・胡文虎(こぶんこ/オーブンハウ)と並ぶ戦前の華僑商人の代表格だが、福建省集美の出身で教育機関への寄付に熱心だった。世界中のキャンパスにTKKビルの多いこと。映画王ランラン・ショウ(邵逸夫)といい勝負。特に1913年から十数年かかって故郷に築いた集美学村は圧巻。1994年には念願の集美大学となったようだ。厦門に華僑博物院を創設したのは1956年とのこと。読まれざる名作『南僑回憶録』が主著。基金会(2003年から陳嘉庚科学賞基金会)による陳嘉庚科学賞は現在、数理、化学、生命、地球、技術科学の5部門で、2年に一度。賞金30万元(450万円)はノーベル賞の1000万クローネ(1億3千万円)に及ぶべくもないが、国内的には破格ではないか。1949年10月1日の開国大典で、革命元老らと天安門にも立った陳嘉庚は、南京紫禁山天文台で発見された新星の名前になっているそうだ。大陸への帰僑(帰国華僑)の中でも大物中の大物だろう。

動物園の里親

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ナイトサファリは1994年にシンガポールではじまった夜間専門の動物園だが、昼間と違って夜行性の動物が活発に動き回っている。クアラルンプールやタイピンなど、動物園の夜間開館とも違う。トラムで回ると、動物名の看板に「adopted/adaption」と入っていて、会社や人名などが付されているのが気になる。隣のシンガポール動物園も含め、里親制度を導入しているらしい。費用は年間2万5千シンガポールドルからというから、日本円で200万円弱か。タイガーバーム提供の虎とか、以前はJAL提供の鶴なんていうのもあった。会社は広告半分だろうが、個人はどういうつもりだろう。2006年2月現在、ライオンが空いてます。
来るたびに改装していて、入場前のエントランスも充実してきた。おすすめは豪華なジャングルトイレ。
nightsafariwc.jpg

 ボルネオ島(ブルネイ、クチン)経由、シンガポールで開催されたアジア学者国際会議(ICAS: International Convention of Asia Scholars)に出席した。ICASはオランダ(1998年)、ドイツ(2001年)に次いで三回目だが、アジア開催は今回が初めてだ。シンガポールでは国立大学(NUS)を中心に、政府観光局の協力を得て、チャンギ空港に「ウエルカムICAS」の文字が踊る力の入れようだった。SARS騒動の最中、現地参加も併せて63ヶ国1000名以上が集まる大規模な国際会議となった。
 朝8時半から夜6時まで4日間に渡り、258のパネル毎に数名が報告し、私が聴き得たのは一部に過ぎないが、今回扱われたテーマの中にはいくつか特徴的なものがあった。
 一つは、アジアに限らず多くの国民国家が突き付けられた現実を反映した、人の移動に関するテーマ。「中国系ディアスポラの記憶とアイデンティティ」「インド、中国発の国際移動」「広東人の国際的ネットワーク」などのパネルの報告がそれで、「トランスナショナリズム」がキーワードである。
 もう一つは、情報通信技術のアジアでの進展を具体的に示すテーマ。たとえばマレーシア、中国、インドネシアのネットカフェを扱った「アジアにおけるインターネット社会と新しい公共圏」や「東アジアにおける情報技術と社会」などのパネルがそれに当たる。
 そして最後は、性や暴力を取り上げたテーマ。「東南アジアとアジア系アメリカンのホモセクシャル文化」「中国映画におけるジェンダーと性」「台湾の同性愛文化」「アジアの性倒錯と性転換文化「ジャカルタの高校生による抗争」「東、東南アジアにおける女性の同性愛文化」などのパネルがそれで、特に同性愛研究は充実していた。
 以上紹介したのはいずれもパネルのテーマであり、それぞれ4名前後が発表し、個々には「香港ポルノ映画の映した日本」(パネル75:アジアの映画 II)などの報告が詰め込まれている。われわれにとって「トランスナショナル」の具体的事例である日本発のサブカルチャーは、主要な題材として散見された。すでにアジアで日本文化は新奇な外来文化でなく、自らを映す鏡として根付く段階に差し掛かっているようだ。
 ラッフルズシティコンベンションセンターは地下鉄と直結した中心部のホテル内で、設備、サービスとも国際会議誘致に力を注いでいるシンガポールの面目躍如たるものがあった。会場では今年度福岡アジア文化賞学術研究賞のレイナルド・イレートをはじめ、アンソニー・リード、王庚武などキラ星の如き著名学者と出会うことができた。現在、彼等がいずれもシンガポール国立大学に属しているのは驚きである。また、実際パネルに行ってみると、アメリカの大学の中国系研究者がイスラム研究についてしゃべっているなど、報告者の所属、民族、テーマの食い違いが、プログラムからはとても想像がつかないほど多種多様だった。基調講演はシカゴ大学のプラセンジット・デュアラ教授による「いくつもの境界を越えて」だったが、このアメリカで教鞭を執るインド系の中国学者の新著のテーマが、満鉄資料を駆使した日本の中国東北部支配だというのも象徴的だった。
 日本でこの学会を引き受けることができるか? 設備や人の問題だけでなく、こうした境界を超えた意識の面でもいささか心もとなさを感じるのは私だけだろうか。

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