龍渓書舎、2007.12
トヨタ財団の助成で1992年からはじまった日本の英領マラヤ・シンガポール占領期史料フォーラムの成果のうち、インタビュー記録(龍渓書舎、1998)、論文集(『日本占領下の英領マラヤ・シンガポール』岩波書店、2001)に次いで私の関わった最後の仕事が形になった。この間、マラヤ日本占領期、資料、などと微妙にグループ名が変わっているがご愛敬。13年前に中原道子先生の紹介で入れていただいたときは日本軍政関係者にインタビューの真っ最中。マラヤ憲友会の熱海会合に故ヘンリー・フライ先生らと参加したり、個人的に辻政信の右腕の朝枝繁春氏の生田のお宅に通ったり、たいへん勉強になった。文献目録は立教に来てからの作業だったが、そのときどきに多くの学生に手伝ってもらった。ようやく明石陽至先生や原不二夫先生に顔向けできるというのが正直な気持ち。池袋東口で行われた祝賀宴では、原先生とついつい杯を重ねてしまった。ともかくほっとした。非常に高価(¥11,550)な本だが、主観的にはもっと価値があると思う。
2008年2月アーカイブ
ソニープラザを通りかかると"Wonka"のロゴが目に入った。帰宅して子ども達に話すと大騒ぎ。早速買いに行かねば。1月末は品切れだったが、2/3昼に入荷があると聞いて家族で出かけた。チャーリーのチョコ工場と表面にあるが、実際はオーストラリアのネスレ製。ずっしり190gでチョコバー並にしっかり甘い。映画公開の翌年2006年には輸入食品として出回っていたらしい。しかし、今回はゴールデンチケット入りで、もちろん限定5枚。数あるバレンタインチョコを押しのけ、入口近くの角にディスプレイ。気付いた人は必ず立ち止まって見るし、ウォンカチョコってほんとにあるんだ、とつぶやく人も少なくない。
『チャーリーとチョコレート工場』は2005年公開のティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の映画だが、1971年の『夢のチョコレート工場』(メル・スチュワート監督)が先で、原作者ロアルド・ダールが草稿を書いている。原作により忠実なのはバートン版だが、翻訳『チョコレート工場の秘密』も映画に合わせて新訳(柳瀬尚紀訳,2005)に。短編作家として知られるダールだが、児童文学はいずれも評論社で、旧版の田村隆一訳(1972)を読んだ覚えがある。執筆にペンもタイプも使わず、大好きな黄色の黒エンピツで、黄色のリーガルペーパーに書いていたという。6Hくらいの製図用でカリカリ文字を刻んでいたかと思っていたが、実際はHBだったらしい。デップ演じる人嫌いのチャーリーを観ながら、そんなことを思い出した。
今回のゴールデンチケットキャンペーンのウェブは「ただいま当選者1名!残りチケットは4枚です!」と映画張りに盛り上げている。DVD発売時(2006.2)に5枚だけ封入されたゴールデンチケットの商品は、小道具のウォンカチョコと工場招待ポスターだった。今度は何かと楽しみにしていたが、2/1に発表されたプレゼントはデップ/チャーリーの60cmフィギュア(1000% KUBRICK)。工場見学とは言わないが、Great Missendenのダール博物館ご招待くらいは欲しかった。