夢中人

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キリン生茶のCMソングに「夢中人」が使われている。でも歌っているのは王菲ではない。アメリカで活躍するアイリッシュグループ、THE CRANBERRIESの「Dreams」とクレジットされている。夢中人は言わずと知れた王家衛の映画『恋する惑星』(重慶森林)の主題歌。タランティーノ絶賛の本作は、王菲と金城武が日本で広く知られるきっかけとなった。1994年の封切時に、クアラルンプールのチャイナタウンで、映画好きの若い作家と一緒に見たあと、興奮してしゃべり続けた覚えがある。クリストファー・ドイルのカメラが印象的だった。というわけで、この曲は映像とともに記憶されていて、どうしても王菲なのだが、昨年マレーシアでもクランベリーズ版がよく流れていて、改めて確認してみるとDreamsは1993年で夢中人より先。何と王菲の方がカバーだった。王菲は中島みゆきの「ルージュ」をカバー(容易受傷的女人)でヒットさせていて、東アジア、東南アジア華人世界では、すっかりフェイウォンオリジナルと思われている。こうした例は結構あり、カラオケで日本語原曲の中国語曲を検索するとかなり出てくる。しかし、Dreamsのように欧米からアジア経由で日本というベクトルは珍しいかもしれない。

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このページは、舛谷鋭が2006年7月17日 15:45に書いたブログ記事です。

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