フェルナンド・メイレレス監督、2005年イギリス、128分
原題"The Constant Gardener"は意訳すれば「趣味の園芸」か。原作のジョン・ル・カレは、元イギリス外交官で1961年にデビューし、三作目『寒い国から帰ってきたスパイ』(1963)の成功で翌1964年官職を辞し、小説家専業になった。日本で言えば起訴休職外務事務官、佐藤優氏が小説を書いたら、といったところか。
私はあくまでフィクションとして楽しんだ。しかし、WFP(国連世界食糧計画)後援のクレジットがあり、テッサ役のレイチェル・ワイズはWFPの公共広告に出演し、活動に協力したという。限りなく実話に近いと捉える向きも多いと思う。しかしル・カレ原作です。『寒い国から』にこんな一節がある。
「バルザックは死の床にあって、かれが創造した人物の健康状態を心配した」
ノンフィクションに見えることこそ、このフィクションの成功なのだろう。人物類型としてテッサ(活動家)とジャスティン(英外交官)に注目。
ナイロビの蜂
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