香港階上書店

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香港は大陸、台湾、香港の書籍がすべて手に入る中国語図書天国だが、商務印書館、中華書局、三聯書店など大手チェーンの他、賃料の手頃なビルの階上に二楼(階)書店がたくさんある。中環の陸羽茶室の並びの一軒家にあった神州図書も一本山沿いの道のビルの三階に移り、晴れて?階上書店となった。しかし、この類の個性派書店が集中しているのは何と言っても旺角、それも西洋菜街だ。MTR旺角の駅を出ると下の階はほとんど電子街で、新製品のキャンペーンなど秋葉原さながらだが、上を見ると書店の看板がいくつも見つかる。ちなみに亜皆老街を渡ると魚類を中心としたペットショップ街で、自転車屋がちらほら混ざっている。ビルの看板を頼りに、番地の逆順、北は亜皆老街から南は登打士街まで歩いてみた。(カッコ内は番地)
最初に見つかる文星図書(74-84)は、書店が多く入る城市中心ビルの11階にある。並びの梅馨書店(66)はエレベーターは7階で6階へ降りる。向かいのビルに華人文芸誌『今天』の代理をしていた洪葉書店(61)があったが、2005年初めに中環、銅鑼湾の店もすべて閉じたらしい。明るく座り読みもできる店内は、従来の階上書店のイメージを変えただけに残念だ。しかし同じビルの開益書店(61)は健在だった。楡林書店(38,42,59,62)は通り沿いに四店舗を構えるが、本店は文星図書と同じビルに引っ越したとのこと。田園書屋(56)は老舗で、以前は華人文芸誌『傾向』の代理もしていた。楽文書店(52)は田園とは対照的に明るい内装の「洪葉系」書店だ。しばらく歩いて紫羅蘭書局(1)まで来ると登打士街は目の前だ。開益、楽文は銅鑼湾の駱克道にも店舗があるので、香港サイドならそちらへ行ってもよいだろう。
これらの書店は各店それぞれの品揃えはもちろん、さらに値段も魅力だ。たとえば楡林は為替レートに先駆け、中国元(15円)表示をそのまま香港ドル(16円)換算で販売している。まとめて買うと割引もあるので、大陸で買うのとほぼ変わらない。古書を扱っている店や、夜10時過ぎまで営業しているところもある。香港は文化砂漠と自嘲する向きもあるが、ここに麗しきオアシスがある。
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このページは、舛谷鋭が2005年11月30日 15:36に書いたブログ記事です。

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