東南アジア史学会関東部会12月例会のご案内
関東部会12月例会のご案内をお送りいたします。
皆様のご参加をお待ちしています。
日時:12月17日(土)午後3時より
いつもより遅く始まります。
会場:東京大学 赤門総合研究棟 8階849号教室
本郷の東京大学の赤門を入ってすぐ右手の建物が赤門総合研究棟です。
そこのロビーを入り、左奥のエレベータで8階にお上がり下さい。
報告:塩谷もも(東京外国語大学大学院地域文化研究科)
題名:「儀礼にみる社会関係とイスラム主義の諸相:中部ジャワの事例から」
参加費:一般200円、学生100円
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連絡先 関東地区委員 奈良修一
報告内容
塩谷もも「儀礼にみる社会関係とイスラム主義の諸相:中部ジャワの事例から」
これまでのジャワを対象とした儀礼研究において、注目を集めてきたのはスラマタン儀礼である。スラマタンは通過儀礼や暦に基づいた特定の日になされるもので、男性たちによる共食儀礼が行われる。先行研究の多くはこの男性のみが参加する共食儀礼に注目し、それを通じてジャワの宗教観や社会関係に関する分析がなされてきた。
発表者が現地調査を実施した中部ジャワの一集落では、男性による共食儀礼がかつては頻繁に行われていたとのことであるが、現在ではほとんど行われていない。それを行わない理由は主にイスラムとの結びつきで語られ、調査地で現在行われている儀礼では、その形式や呼称においてイスラムの要素が強調されているという特徴がある。
本発表では儀礼の変化とその背景について、調査地における事例を中心に、隣人間の社会関係とイスラム主義の浸透、そして儀礼の準備を担当する女性の役割に注目しながら論じる。さらに、先行研究で使われてきたスラマタンという儀礼の呼称と定義をめぐる問題を、現地調査で得た資料を用いて分析する。