7月7日ワークショップ「地域研究者は被災社会に対して何ができるのか?」のご案内
みなさま
以下のワークショップを開催しますのでお知らせします。
関心のある方ならどなたでも歓迎いたします。みなさんぜひご参加ください。
山本博之
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ワークショップ「地域研究者は被災社会に対して何ができるのか?
―スマトラ沖地震・津波災害、パキスタン北部地震、ジャワ島中部地震に
対する地域情報発信の経験を通じて―」
日時:2006年7月7日(金) 15:00-18:50
場所:京都大学地域研究統合情報センター3階会議室
http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/index.php/access
主催:地域研究コンソーシアム社会連携研究会
スマトラ沖地震・津波 災害対応過程研究会
プログラム:
司会:阿部健一(京都大学 地域研究統合情報センター)
15:00-15:10 趣旨説明 阿部健一
15:10-15:50 I. 2004年スマトラ沖地震・津波災害の例
(1)山本博之(京都大学 地域研究統合情報センター)
「ウェブサイトを通じた災害被災地の地域情報発信:
その成果と課題」
(2)西芳実(東京大学大学院 総合文化研究科)
「地域研究者にとっての大規模自然災害」
(3)篠崎香織(欧亜大学(マレーシア孝恩文化基金合同
キャンパスプログラム))
「他地域とつながる地域情報の発信の可能性」
15:50-16:00 質疑応答
16:00-16:40 II. 2005年パキスタン北部地震の例
山根聡(大阪外国語大学外国語学部)
「日本の大学からパキスタン北部地震へのかかわり」
16:40-16:50 質疑応答
16:50-17:00 休憩
17:00-17:40 III. 2006年ジャワ中部地震の例
岡本正明(京都大学東南アジア研究所)ほか
「東南アジア地域で起きた自然災害が東南アジア
研究所に問いかけるもの」
17:40-17:50 質疑応答
17:50-18:50 ディスカッション
概要:
近年、海外で発生した自然災害に対する救援・復興活動に社会的関心が集まっている。2004年スマトラ沖地震、2005年パキスタン北部地震、そして2006年ジャワ島中部地震と、立て続けに海外で大規模な自然災害が発生している。これらの自然災害を契機に、さまざまな分野や立場の人々による被災地の救援・復興活動の取り組みが見られる。
そのようななかで、「地域の専門家」の役割が改めて問われている。災害・防災研究や人道支援などさまざまな分野の専門家や実務家がいっせいに被災地への関与を開始する中で、地域の専門家が持っている知見や専門性にはどのような意味があるのか、地域研究者には何ができるのかが問われている。
地域研究者の多くは自然災害や人道支援の専門家ではない。そのため、被災地の言語や文化に通じていることを利用して救援活動の現場で通訳や援助スタッフとして活動する関わり方もあれば、救援活動の足手まといにならないようにと義捐金を募って救援活動の専門家に託す関わり方もある。これに対し、語学や土地勘など自分の専門性を活用して、インターネットなどを通じて地域情報を発信する試みも見られる。
本ワークショップでは、自然災害に地域情報の発信によって対応しようとした人々が集まり、情報発信に際しての共通の経験や課題を共有し、今後の活動に役立てることを目的とする。ここで取り上げられるのは、誰に向けて発信するのか(支援現場か、報道関係者か、調査研究関係者か、日本国内か国外かなど)、どのような情報を発信するのか(地図や写真か、被災地の歴史・経済的背景かなど)、どのように発信するのか(図や画像を使うのか、文字情報だけにするのかなど)、情報はどこから入手するのか(現地語か、英語か、日本語かなど)、それらの情報をどのように見せるのか(速報性重視か、網羅性重視か、特定のテーマを立てて行うのかなど)、どのくらいの期間続けるのかなどの多くの疑問であり、また、限られ
た人員での作業のなかで構想はあっても実現できなかったさまざまな課題である。これらの経験を共有し、その課題を明らかにし、さらにそれを公開することは、今後の同様の事態に繋がるという点で重要な意義があるだろう。