「帝国と技術」研究会のご案内
「帝国と技術」にかんする研究会を東京海洋大学のいて開催いたします。ご関心のあ
る方は、どうぞご参加くださるようご案内申し上げます。(井口由布)
「帝国と技術」研究会のご案内
日時 2005年3月4日(金)15時〜
会場 東京海洋大学(品川キャンパス)5号館209会議室
駅からのアクセスは、ホームページ上で
http://www.kaiyodai.ac.jp/Japanese/access/01.html
にありますので、案内の際にお使いください。
みなさま
「帝国と技術」研究会を案内させていただきます。私たちは、科学史・歴史社会学・
東南アジア地域研究・日本思想史・歴史学と専攻や所属学会を異にしながら、科学技
術論とそれぞれの研究との接点を意識的につくりだし、より今日的で領域横断的な研
究をスタートさせることを目的として集まりました。
従来、帝国主義や植民地主義、近代化といった文脈で「科学」「技術」を自立的に
扱うことは、「科学主義」「技術主義」とみなされがちでした。一方、そうした従来
の研究視角のもとでは、「科学」「技術」は近代化や植民地主義の「道具」という扱
いの域を出るものではありませんでした。しかし、近年、科学技術倫理などが自立的
な主題となるように、科学史やSTS(Science and Technology Studies、Sociology
of Technology and Science)研究を引き金として、科学技術と社会の「新たな関係」
の構築が焦眉の課題となってきています。こうした動向は、科学技術と社会との関係
を一体視してきた歴史研究に対しても、研究の枠組みに対する深刻な再考をうながし
ているといえるでしょう。私たちは、このような科学技術論・科学技術研究からの問
題提起を積極的にうけとめたいと考えました。そして、手始めとして、昨年12月に
は、コーネル大学のヴィクター・コシュマン教授(歴史学)を座長に、The
International Association of Historians of Asia (IAHA) が主催する18th IAHA
CONFERENCE 2004 TAIWANにおいて、"Intellectuals, Technology, Imperialism"とい
うセッションで参加してきました。今回の研究会では、台湾でのセッションの報告を
おこなうとともに、これをふまえて、そこで討議された問題をさらに深めたいと考え
ています。できうれば、ここに、ささやかではあれ、創造的な学術交流の場をつくり
たいと考えています。みなさまのご参加を心待ちにしております。
報告
1 柿原泰(東京海洋大学助教授、科学史/科学論)
「明治期日本の工学教育とイギリス帝国のエンジニア」
2 山根伸洋(明治学院大学講師、歴史社会学)
「19世紀日本の交通網の展開と革新」
3 友常勉(Independent Scholar、日本思想史、学術博士)
「技術論における解釈学と修辞学:戦前建築理論のなかの西山卯三と今和次郎」
4 井口由布(工学院大学講師、東南アジア地域研究、学術博士)
「植民地マラヤにおける大学設立に関する一考察」