帰国した馬華作家

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原 不二夫(南山大学)

 

 マラヤ(マレーシア、シンガポール)は、東南アジア諸国の中でも華人人口の比率が最も高く、「54運動」の時代から華語文学が隆盛した。20世紀初頭の華僑社会覚醒運動をもたらしたのが孫文や汪精衛の「革命派」だったように、文学運動においても中国から渡航した文人が重要な役割を果たした。この伝統はその後も引き継がれ、1920年代後半の抗日運動開始頃から人民共和国建国頃にかけて、多数の知識人が中国からマラヤに渡って文化活動に従事した。その主目的は、文学面での指導もあったが、抗日運動や反植民地運動への華僑社会の動員、という側面の方が強かったようだ。彼らの多くは、戦後の植民地当局による弾圧(19486月に非常事態宣言)のためもあって、強制送還か自発的意思により、中国に帰った。中国では、著作活動の傍ら人民共和国や共産党の要職に就く者が多かったが、中には執筆の伝えられなくなった者もいる。

 他方、マラヤ生まれでマラヤで作家としての地位を築きながら、中国に渡って「帰僑作家」の仲間入りした人々もいる。主に反植民地運動で強制退去となった若い知識人である。

 ここでは、この両者に分けて、各作家のマラヤ、中国それぞれにおける活動を中心に見るとともに、その意味、特質などについて検討したい。

開戦前夜のマラヤの華僑文化界に大きな影響を与えた人物には、他にも郁達夫など著名作家がいるが、ここでは中国帰国者に限る。また、主要作品名はそれぞれ12記したけれども、今回はその内容には立ち入らない。

 

1.      中国からマラヤに渡り、帰国した作家

 抗日運動の時代。渡来時、ほとんどが20代以上。マラヤでは抗日・反植民地活動。

滞在、最長は17年。帰国は強制送還(なかには地下の陸路逃亡者も)。

ほとんどが中共、民盟、致公党員。マ共との二重党員も。マ共と中共の党籍問題。

中国政府、党、文化団体における役職。文化大革命。

例外的な帰僑作家・周容。

2.      マラヤ生れの「帰僑」作家

 中国留学。多くがマ共党員、抗日・反植民地活動、40年代に強制退去。

中国では中央政府の役職なし。中共党員も少数。

マ共関係者の蕭村への高い評価。

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