「史料」としての「日華文学」

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廖 赤陽(武蔵野美術大学)

 

 本発表では、はじめに「日華文学」とは何かを定義し、これまでの作家と作品について、概要を紹介する。

 「日華文学」の作品を見渡すと、三つの時期に分かれていることが判明する。第一に留学生文学時期であり、第二に本土作家時期であり、第三に新華僑文学時期である。

 「日華文学」については三つのモデルと二つの伝統によって分析できる。一つは周縁、多元、頽廃と非主流モデルであり、もう一つは伝統の移民美学と正統道徳モデルで、最後に私小説風モデルがある。また、二つの伝統とは中国の大歴史と金銭文学である。

 2008年の第139回芥川賞に、中国籍の作家として史上初の受賞者として楊逸の『時が滲む朝』(文學界6月号)が選ばれた。これまで直木賞で前例はあったが、純文学対象の芥川賞では、在日韓国朝鮮人文学はあっても、在日中国人文学はなかった。

 以上のような状況から、「日華文学」に見る史料および心性と政治について検討したい。

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