キックスクーターと言えば、子供の危険な乗り物という図が目に浮かぶ。大人が乗るのは何とも大人げない感じだ。しかし、電動アシストの二、三、四輪、たとえば自転車、スクーター、セグウェイに代表される立ち乗り二輪、車いす(シニアカー)、小型車(マイクロEV)の総称マイクロモビリティの市場予測は2020年に市場規模1000億程度とのこと。とはいえ、いずれも電動の話。平坦完全舗装のシンガポールで、"last 1 mile" 用にこの種の電動スクーターを考えたが、何しろ重いし安くはない。結局「足動」キックスクーターを選択したが、ロードバイクの半分程度の重さは付属ストラップで肩掛けしてもさほどでない。二つに折りたたんでバスでも電車でもシームレスに乗れフォールディングバイクより手軽。なるべく前の方に蹴り足を踏み出し、ボードに乗せている足を前に押し出すコツもつかめてきた。ひと漕ぎでどのくらい進んでくれるか、段差のスロープ程度の下りでどれほど惰性がつくか。同じ「足動」でも自転車やジョギングに比べて運動になるというのもうれしい。赤道直下ながら"City in a Garden" を標榜するレッドドットの木陰と、ショップハウスに代表されるルーフをたどり、今のところ2、3kmだが、急ぐわけでもないので、ゆっくり、ゆっくり、遅くて立っていられなくなるまで粘る。たぶん日本と違って、大人でもキックスクーターに乗っている人が多く、すれ違うと目で合図しあう。関心を示す人も多く、それいくら?と通りすがりに聞かれることもある。さすがアメリカのブランドスクーターGoPedのシンガポール版まで存在するお国柄だ。いくらブルべ参加者と言え、Xootrユーザーのようにアメリカ大陸横断する気はないが、自動車でも自転車でも徒歩でもない移動手段から見える景観をしばらく楽しみたい。

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