立教大学観光学部 舛谷研究室 masutani lab, tourism, rikkyo

春節の初詣

シンガポール南安会館の知人に誘われ、大晦日に中国廟巡りしました。集合場所のTelok Ayer通り天福宮(福建)に23時過ぎに赴くと、中はお参りの人、向かいでお供えの傀儡戯、廟内見学ツアー、並びの玉皇宮では道教協会の道士のお祈りと大賑わい。

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新年を迎えると廟内に獅子と龍が躍り込んできた。

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天官に率いられた黄赤の獅子はひと踊りした後、お供えの上にうずくまり、何やらごそごそ。残されたのは今年のラッキーナンバー。

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年越しがひと段落したところで、徒歩でPhillip通りの粤海清廟(潮州)へ。義安公司の守護神で、きれいになったばかり。

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歩いても行けたかもしれないが、タクシーを奮発して、Shenton Wayバスターミナルの福徳祠(客家)へ。今日見た中で一番小さかったが、ここも2012年に改修されていた。1824年創建と伝えられ、シンガポール最古とも言われるが、証拠となる碑は見つからなかった。

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バスターミナルから133ナイトライダーに乗り、Pruvis通り(海南二街)の天后宮(海南)へ。ここは古廟を海南会館ビルが覆うように建てられた面白いつくり。

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 最後に静まり返ったブギスを抜け、参詣者最多のWarerloo通り(四馬路)観音堂(共通)に着いたのは3時過ぎ。それでも初詣客でごった返していた。

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面白かったのは並びのヒンズー寺院スリ・クリシュナが華人参拝客向けに観音像引っ張り出してたこと。ここは華字紙に広告出したり、観音堂と一緒にお参りする華人も多いらしい。

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華人系の店はどこも閉まっているか、稀に開いていても割増料金なので、インドカフェでコーヒー、プラタ等で一休みしてお開き。

シンガポールの廟はせいぜい200年くらいだが、インドネシアには400年前のが残っているのは先日のチレボン行で実見した通り。それでも、都市国家シンガポールで、春節に限らず、各地の廟が賭け事頼みを含め信仰を集め改修され、あたかも日本の神社のような役割を果たしているのは興味深い。

インターネットのみのSIM

日本で街中にWifiが飛んでおらず、不思議に思うインバウンド旅行者は少なくないようだ。確かにシンガポールにも空港WifiやWireless@SGなど公共サービスあるが、いずれもウェブで使用認証だけのマレーシアと違い、案内所や携帯などでパスワードを受け取る必要がある。

テザリングできるスマホや、ポケットWifiルータがあれば、現地の番号はいらないという人も多いと思うが、これまでの滞在でインターネットのみのデータSIM情報が集まってきたので、心覚えにまとめておく。

シンガポールは最大手Singtel、衛星放送で有名なStarhub、新興m1の3キャリアだが、ポストペイドは概ね2年しばりで、最短期間はm1の6か月だが、その間エンプロイメントパスがないと契約できない。そこで短期はプリペイドということになるが、空港でも買える番号付SIMの情報は他でも出てくるので、インターネットのみのSIM情報に限ると以下の通り(いずれも4Gプラン)。

Singtel: Data only SIM/SG18/最初の3日間使い放題/トップアップカードなどでチャージ/1day2GB:SG6~

Starhub: Internet SIM/SG18/最初の5日間1日2GB/トップアップカードなどでチャージ/1day2GB:SG6~

m1: Prepaid Broadband/SG18/最初の30日間1GB/トップアップカードなどでチャージ/1day2.5時間使い放題:SG5~ or 30day1GB:SG18~

チャージはコンビニ等の他、HDBの下の商店街やスーパーのレジ付近の出店で数ドル安くトップアップカードが買えたり、ネットでクレジットカードで払えるプランもある。Singtel、Starhubはほぼ同じサービス、m1が有効期間が一か月単位など特徴あるが、どのインターネットのみのSIMもそれぞれのキャリアの直営店でないと買えないので、自分のホテルのそばの店舗を調べておくとよいだろう。セントラルだとブギスジャンクションに3社とも入っているので、近所のITビルSimLimスクエアでSIMフリー携帯やルータを安く入手し、すぐにデータSIMを使うことができる。セントーサへのゲートウェイ、最大級ショッピングモールのヴィヴォシティL2にも3社揃っている。

空港には通話込SIMしかないと思うが、銀行両替所や各キャリアのカウンターでSingtel Tourist SIMとかStarhubのTourist Packという通話込だがデータも1.2G-7G付が15-32SGで購入できる。これらは逆に市中に出ると見つけにくいだろう。ちなみに空港のレンタルポケットWifiはカードデポジット200ドルで、1日当たり10ドルだった。

シンガポールではベンツが売れる

シンガポールは自動車購入抑制に約100%の税金とCOE(新車購入権)の公開入札を課している。前者はすべて外車なので逃げ道なく、後者は1990年からで排気量によるが、Aカテゴリー(1.6リットル以下乗用車)で600万円超に高騰しているらしい(JETRO 2014)。日本で200万の国産車は200+200+400で約1000万。そういう事情で新車登録に大衆車は存在せず高級車が占め、2013年はベンツ、BMW、トヨタがトップ3。先ごろ発表された2014年はトヨタ、ベンツ、BMWと57%伸びたトヨタが20%伸びのベンツを逆転している。その他、この一年間で伸びが大きいのはなぜか日本車。5位のマツダが210%、6位の日産が194%、8位のホンダが264%伸びている。以上、シンガポール陸上交通局(Land Transport Authority)調べでした。

シンガポールの禁酒法

2013年12月8日のリトルインディア暴動以来、轢かれたインド人が酔漢だったこともあり、今年3月までリトルインディアでは大々的な飲酒規制が時限的に敷かれていた。4月以降どうするか、オーストラリアの野外飲酒禁止事例の見学に政府関係者が赴いたりしていたので、更に規制をかけるだろうと思っていたが、このほど4月以降の恒久的な新法が発表された。

禁酒時間と場所は、1.夜10時半から朝7時まで全島で酒類店頭販売禁止、公共の場で飲酒禁止。2.飲食店は店内のみ酒類提供可で店頭販売不可。3.ゲイランとリトルインディア周辺にそれぞれ禁酒エリアを設け、平日はもちろん、週末、休前日の夜間(夜8時から朝6時)酒類店頭販売禁止。4.夜10時半以降、公園やコンドのバーベキューピット(プールサイドは除く)などで飲酒する場合は事前に届け出、とのことだ。

その後通産大臣が「過去3年間、週に平均1度は飲酒に関わる事件が、平均2度は傷害が発生している」と発言。これらは増加傾向にあり「公共秩序を守るため、法案が必要」と強調。

一番経済的なダメージを受けそうなのはセブンイレブンなどのコンビニだが、賛成文書を提出させられたよう。あくまで新聞報道によるが、業界団体も1年間は試行期間で、との声明を出すのが精いっぱい。

罰金の最高額も販売店に対してはこれまでの5000ドルから1万ドルになり、禁酒エリアでは3万ドル。個人に対しては初犯1000ドル、再犯以降2000ドルと禁固3ヶ月以内。

観光客にとって、ますます安全な国になるに違いない。

参考: Liquor Control Bill

 

その後大使館から以下の緊急一斉通報(15/3/4)が来た。コンド内のバーベキュー場が公共の場所か否かは、第三者が自由に出入りできるかという判断基準なので、ケースバイケースのように思う。原文と事例を研究したい。

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酒類規制法の施行について(注意喚起)

2015年1月の議会で酒類規制法案が可決され、2015年4月1日から
施行予定です。シンガポール内務省の発表に基づき同法律の内容や
予想される違反形態を以下にまとめました。


1 2015年4月1日から、シンガポール国内の「公共の場」における、午後
10時30分から午前7時までの飲酒が法律(酒類規制法)で禁止されます。
法律に違反した場合、最高1,000シンガポールドルの罰金が科され、
再犯の場合、最高2,000シンガポールドルの罰金又は最高3ヶ月の禁固刑に
処せられます。また、同時間帯の酒類の小売販売も禁止され、コンビニエンス・
ストアやスーパーマーケットでの酒の購入ができなくなります。

2 飲酒が禁止される「公共の場」とは、主として駅、道路、歩道、公園、広場等、
出入りが自由な場所が想定されており、私的な空間である自宅やホテルの部屋、
あるいは、コンドミニアム敷地内のバーベキュー場は屋外であっても「公共の場」には
含まれず、法律上、夜間の飲酒は認められます。

3 午後10時30分以降であっても、政府から酒類提供の許可を得たバー、レストラン、
ホーカー、カフェ、イベント会場等においては、許可で認められた時刻まで酒を飲むことは
可能です。ただし、提供を受けた場所で飲むことが条件であり、同所から別の場所に
持ち出したり、自宅やホテルに持ち帰ることは禁止されます。


◎想定される違反例1
午後10時30分より前にコンビニエンス・ストア等で酒を購入し、午後10時30分過ぎに
歩道上のベンチ等、公共の場で飲酒。

◎想定される違反例2
自宅でパーティーを開催し、午後10時30分過ぎ、酒が足りなくなったため、酒を販売(提供)
しているホーカーやカフェに行き、酒を購入し、同所で消費することなく、自宅へ持ち帰る。

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