立教大学観光学部 舛谷研究室 masutani lab, tourism, rikkyo

大人のキックスクーター、帰国後

シンガポール市内やジョホール水道国境でしばしば見かけたキックスクーターを、大学への通勤で使って半年余り。工場街の現金が使えない店舗でペイパル払い5000円足らずで買った中国製SunColor8インチ車は、日本に帰国してからも実によく走ってくれたが、ハンドルと前輪をつなぐボルトが折れてドック(Spitt)入りとなった。入れ違いにフランス製Oxeloの7インチ車Town5 Easy Foldが日本代理店のナチュラムから納品された。

以下のフランス語ページの通り、都市交通の半分を占める3km未満で自転車、ローラーブレード、スケボー、徒歩とともにキックスクーター(写真はOxelo)が挙げられ、パリ・メトロのスト時利用や市内に専用ラックも設置されているらしい。

都市で有効な5つのエコモビリティ

主に電動など動力付きはマイクロモビリティと呼ばれ、モーターショーではスマートモビリティと言われていたが、足道など人力含むラストワンマイルのニッチを埋める移動手段を含め、パーソナルモビリティと総称してよさそうだ。

2015年7月以降のマイクロモビリティ実証実験の全国解禁や、2020東京五輪で小径車輪によるローラースポーツが追加候補種目になるなど、追い風も少なくない。何より、この楽しい移動手段を、誤解なく広めていきたい。

 

追伸

勝間和代氏も愛好者のよう

キックスクーターは大人の安全な乗り物

キックスクーターと言えば、子供の危険な乗り物という図が目に浮かぶ。大人が乗るのは何とも大人げない感じだ。しかし、電動アシストの二、三、四輪、たとえば自転車、スクーター、セグウェイに代表される立ち乗り二輪、車いす(シニアカー)、小型車(マイクロEV)の総称マイクロモビリティの市場予測は2020年に市場規模1000億程度とのこと。とはいえ、いずれも電動の話。平坦完全舗装のシンガポールで、"last 1 mile" 用にこの種の電動スクーターを考えたが、何しろ重いし安くはない。結局「足動」キックスクーターを選択したが、ロードバイクの半分程度の重さは付属ストラップで肩掛けしてもさほどでない。二つに折りたたんでバスでも電車でもシームレスに乗れフォールディングバイクより手軽。なるべく前の方に蹴り足を踏み出し、ボードに乗せている足を前に押し出すコツもつかめてきた。ひと漕ぎでどのくらい進んでくれるか、段差のスロープ程度の下りでどれほど惰性がつくか。同じ「足動」でも自転車やジョギングに比べて運動になるというのもうれしい。赤道直下ながら"City in a Garden" を標榜するレッドドットの木陰と、ショップハウスに代表されるルーフをたどり、今のところ2、3kmだが、急ぐわけでもないので、ゆっくり、ゆっくり、遅くて立っていられなくなるまで粘る。たぶん日本と違って、大人でもキックスクーターに乗っている人が多く、すれ違うと目で合図しあう。関心を示す人も多く、それいくら?と通りすがりに聞かれることもある。さすがアメリカのブランドスクーターGoPedのシンガポール版まで存在するお国柄だ。いくらブルべ参加者と言え、Xootrユーザーのようにアメリカ大陸横断する気はないが、自動車でも自転車でも徒歩でもない移動手段から見える景観をしばらく楽しみたい。

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