アジア農村研究会のおしらせ
アジア農村研究会 韓国 忠清南道燕岐郡 農村調査のお知らせ
アジア農村研究会では、毎年恒例となりました海外における調査実習を、来年(2006年)3月に行う運びとなりました。
本研究会は、東京大学の桜井由躬雄教授の提唱のもと、1993年に設立された、学生により組織・運営されている団体です。アジアについて学ぼうとする学生に農村調査の方法論を身につける場を提供するため、年1回アジア各地において調査実習を行っております。これまでにタイ・中国・台湾・インドネシア・マレーシア・日本(沖縄)・ベトナム・ビルマにおいて調査を行い、東京大学だけでなく様々な大学から、多様な専門分野の方々に参加して頂いております。
本研究会の目的は、現地での調査を通じてのフィールドワークの方法論習得であり、参加者の専門分野・研究テーマを問いません。これまで同様、数名の専門家にご協力をお願いし、ご指導を頂くことになっていますので、調査経験のない方でも問題ありません。
第14回目となる今回の調査では、韓国中部、忠清南道燕岐郡錦南面での定着調査を行います。調査の基本的な内容は、燕岐郡錦南面所在の一村落全戸に対する、基礎情報の聞き取り調査です。韓国の高度経済成長は急激に進みましたが、その間における農村生活の変化を個人の聞き取りを通じて探るのが今回の調査の目的です。
この調査は忠南大学校経商大学のご協力を得て行われます。通訳の方にも参加していただく予定になっておりますので、韓国語のできない方でも問題はありません。
調査の詳しい内容は以下の通りです。ご質問等がございましたら、お気軽に御連絡下さい。皆様の参加を心よりお待ちしております。
【調査期日】2006年3月5日 ~3月17日
【日程】
3月5日 ソウル集合(夕刻) 日本側参加者顔合わせ
3月6日 午前 大田広域市儒城に移動 忠南大学校訪問
午後 燕岐郡錦南面 調査地訪問
3月7日 錦南面 測量調査開始 ~3月8日
3月8日 質問表検討会。
3月9日 錦南面 インタビュー調査開始。
3月15日 インタビュー調査終了。調査データ整理。
3月16日 最終報告会。解散パーティ。
3月17日 解散(早朝)。
* 日程はあくまで予定であり、細かい変更の可能性があります。
* 6日以降の宿泊は大田広域市儒城区内のホテルを予定しています。
【調査内容】
(1) 聞き取り調査:日本出発前後に準備する質問表にそって聞き取り調査を行います。
(2) データ打ち込み:聞き取り調査で得た情報をその日にデータベース化します。
(3) 測量調査:村落の詳細な地図を、機材を用いた測量のデータに基づいて作製します。
【募集対象、人数】
2006年3月1日時点で満20歳以上の方。日本側25名程度を予定しています。応募多数の場合先着順とさせていただきます。
【参加費】
9万円
* ソウル集合時から解散時までの滞在費のみで、航空券・乗船券等は含みません。
【その他】
* 査証・旅券等:日本国籍の方は30日以内の観光目的の場合、無査証で入国できます(2006年3月1日以降も90日以内無査証の入国が可能であるかは不明です)。
旅券は韓国入国時に滞在日数+15日の残存期間が必要です。旅券が2006年4月2日以前に失効する方は韓国入国前に更新が必要になります。
* 航空券:各自手配していただきます。
* 保険:海外旅行保険への加入をお願いいたします。
* 事前会合:募集締切り後、顔合わせや測量実習などの会合を東京で行う予定です。
アジア農村研究会について
【沿革】
1993 アジア農村研究会設立
同年3月 東北タイ広域調査実習
1994 中央タイ・ナコンパトム県農村調査実習:シラパコン大協力
1995 上海近郊農村調査実習:上海社会科学院外事処協力
1996 台湾桃園県農村調査実習:台湾中央大学協力
1997 スマトラ島広域調査実習
1998 ペナン島華人集落調査実習:マレーシア理科大学協力
1999 マレーシア・スランゴール州農村調査実習①:マラヤ大学協力
2000 沖縄県・浜比嘉島調査実習:琉球大学協力
2001 マレーシア・スランゴール州農村調査実習②
2002 南タイ・北マレーシア広域調査実習:ソンクラー大学、マレーシア北部大学協力
2003 北タイ・チェンマイ近郊農村調査実習:チェンマイ大学協力
2004 ベトナム・ハノイ街区調査実習:ベトナム社会科学アカデミー家族・ジェンダー研究院協力
同年10月 当研究会が「東京大学総長賞」受賞
2005 ビルマ(ミャンマー)広域調査実習:東南アジア教育省機構歴史伝統センター協力
同年10月 (株)「めこん」より当研究会編『学生のためのフィールドワーク入門』出版
【過去の参加者】
これまでの調査では、所属としては、愛知大、大阪外大、大阪大、学習院大、鹿児島大、京大、熊本学園大、神戸大、上智大、シラパコン大、早大、千葉大、千葉敬愛短大、中央大、チュラロンコン大、筑波大、津田塾大、帝京大、東大、東京外大、東京学芸大、東京基督教大、東京女子大、東北大、都立大、南山大、新潟大、文教大、法政大、名大、明大、立教大、立命館アジア太平洋大、琉球大(50音順)。専門は地域研究、経済学、考古学、社会学、神学、政治学、開発経済学、哲学、歴史学、文化人類学、農学、農業経済学、民俗学、建築学など、様々な研究分野の方々に参加していただいております。
【当研究会の出版物】
アジア農村研究会編『学生のためのフィールドワーク入門』(めこん、2005年)