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「民主化以後のインドネシア」に関する研究会と講演会

以下のような研究会と講演会を九州大学で開催いたします。
史学会九州地区研究会ではないのですが、ご関心ある皆様に
ご案内させていただきますので、ご都合のつく方は
ぜひご参加くださいますようお願い申し上げます。

九州地区理事 田村慶子

●研究会

批判・対話・宗教 〜民主化以後のインドネシア〜

 報告者: 木村公一(福岡国際キリスト教会牧師)
      永渕康之(名古屋工業大学)
      見市建(京都大学)
 司 会: 佐々木拓雄(元九州大学)

 日時: 2005年6月25日(土) 9:30〜13:30

 会場: 九州大学六本松キャンパス
     比較社会文化学府大学院棟(図書館横プレハブ)
     101教室

○趣旨  先進国における福祉国家の崩壊とアジアにおける開発主義
の解体は、グローバル化にともなう平行現象であると見るべきである。
人、物、情報 の世界規模の迅速な流通が国家による介入主義の意志と
能力を低下させたという点で両者は共通している。1990年代から
顕在化しはじめるこうした状況にあって、宗教は過去の遺制ではなく、
特に東南アジアにおいては具体的な「生」を再構築する方法論のひと
つとなっている。その意味で同じく「生」の再構築をめざす市民社会
ないしは公共性をめぐる議論は、宗教の動きを無視することはできな
いだろう。本研究会は、1998年にスハルト体制の崩壊という開発
主義の終焉を経験したインドネシアに焦点をあてて、体制崩壊をもた
らした重大な勢力であった宗教による批判の内実を明らかにし、彼ら
が対話をすすめるうえで陥っている現状を考える。争点は公的領域の
再規範化は可能かどうかである。すなわち、政治と経済の分野から日
常生活にいたる広範な領域において高まりつつあるモラルへの要請を
どう理解したらよいのかを議論してみたい。(永渕康之)


●講演会

木村公一牧師講演会

コミットメントの決意
 〜開発・対話・解放の実践に携わったインドネシアでの17年間〜


日時: 2005年6月25日(土) 14:00〜17:00

会場: 九州大学六本松キャンパス 新一号館2階N120教室

「人間の盾」となり、イラクから平和を語りかけてくださった木村公一
牧師は、1986年から2002年までの17年間にわたって、インドネシアの神
学大学で教鞭をとっておられました。その間、牧師は、現地イスラム−
キリスト教間対話の歴史のなかに自らをおき、現地の人々とともに、民
衆のための社会づくりに携わってきました。また、日本人とインドネシ
ア人との関係を戦争という背景から見据えなおし、いわゆる従軍慰安婦
問題をはじめとした諸問題への取り組みにも従事してこられました。木
村牧師にインドネシアでの体験をふり返っていただくとともに、長らく
アジア地域研究に携わる三人の研究者の応答をまじえ、アジアの社会に
対するわたしたちのコミットメント(関与)のあり方について考えてい
きます。

 討論者: 清水展(九州大学)
      永渕康之
      見市建

◇木村公一牧師プロフィール
 1947年東京生まれ。東京神学大学大学院修士課程、西南学院大学、
United Theological College(南インド)、Asia Baptist Graduate
Theological Seminary(神学博士)で学ぶ。1986年から17年間、日本バ
プテスト連盟派遣宣教師として、インドネシア中部ジャワのバプテスト
神学大で教鞭をとる。2004年8月から、福岡市大名にある福岡国際キリ
スト教会の牧師となる。西南学院大学などで講師も務める。著書に、
『人間の盾—パクス・アメリカーナとキリストの平和』(新教出版社
2003)、『インドネシア教会の宣教と神学—開発と対話と解放の神学の
間で』(新教出版社2004)。

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  主催・九州大学大学院比較社会文化研究院
  お問い合わせ先・同研究院松永典子研究室