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アジア中近世港市城跡保存 公開国際シンポジウム

下記のような公開シンポジウムを予定していますので、お知らせします。

趣旨:
 アジアの港市遺跡には、美しい城郭を残すものがある。特に最近存在が注目されているインドネシア・スラウェシ島南東部のブトン王城ウォリオ城跡は、港を見下す崖上に珊瑚石灰岩で築いた群島部有数の近世大城郭である。文献記録に乏しい中でこの城跡が語るものは多く、住民を巻き込んだ保存が叫ばれている。またジャワ島西部のバンテン・ティルタヤサ離宮跡でも、海との繋がりを明らかにする水門跡が発見され、その保存が考えられるようになった。
 一方、日本ではウォリオ城跡と似た景観を持つ琉球のグスク群があり、今帰仁グスクなど代表的なものは世界遺産に指定された。それらが語る歴史は記録をはるかに超えたものがあり、保存されることによって長く子孫に伝えられ、また外来の観光客の関心を集めている。海上交易が盛んだった九州・沖縄には他にも肥前名護屋城跡など、海を臨む城郭遺跡が少なくなく、その保存は歴史の記憶継続も含めて地域住民にも影響を及ぼすものとなりうる。
 海で繋がったアジア中近世港市城跡保存の抱える問題を多視点から論ずることで、それぞれの新たな発展の道を探りたい。

期日:7月10日(日)10時〜17時  参加無料
場所:福岡市アジア美術館(地下鉄中洲川端駅下車1分)あじびホール

発表:
中村修身(北九州市芸術文化振興財団)「北部九州中近世山城の保存における現状と課題」
高瀬哲郎(佐賀県立名護屋城博物館)「肥前名護屋城の保存」
金武正紀(沖縄県今帰仁村教育委員会)「琉球のグスクの保存」
瀧本正志(福岡市埋蔵文化財センター)「ティルタヤサ遺跡とウォリオ城跡の調査」
トニー・ジュビアントノ(インドネシア国考古学研究センター)「インドネシアの城郭遺跡保存」
ナニッ・ウィビソノ(同上)「ティルタヤサ遺跡の水門跡とウォリオ城跡」
山口裕子(吉備国際大学)「ブトン王城ウォリオ城跡の保存」

主催:バンテン遺跡研究会 共催:福岡市教育委員会・東南アジア考古学会 協力:国際交流基金

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坂井 隆(地域研究博士)
〒370-2101 群馬県吉井町南陽台3-1-14