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11/12/19/3

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*第12回講義
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**ユーラシアンのヨーロッパ大衆小説の紹介
-ユーラシアン
--欧亜混血児
--「ダブル」という自覚と評価(居住地や出身地)
-『ロビンソン・クルーソー』『三銃士』など
-''出版文化''の形成に帰依
--出版が盛んになり、読む人が増えて女性も読むようになる
--産業の形成→文化の形成
**ユーラシアン翻訳の発展
-翻訳小説〜翻案小説〜創作
-1920年代、ジャワ各地でプラナカンによるマレー語文芸誌
-対州文芸誌は毎号百ページほどの続き物形態
-プラナカン小説〜ニャイ小説〜ロマン・ピチサン

**大衆文学の形成
-''純文学''に比べ多くの読者を獲した「''大衆文学''」
--「純文学」は価値あるのか?-繰り返しは許されない
--「大衆文学」では繰り返しが許される
--読者は大衆文学の活字を目で追うことで気が休まり、純文学で刺激を受ける
-''大衆文芸誌''
--《Sin Po》(新報)
--《Keng Po》(競報)
-中国種の''武侠小説''連載
-従来通り小分冊で出版
--出版社は名前が知られていても、企業としての規模は小さい→利益を得るにはたくさん出版する必要…大衆向け
--日本では、取り次ぎという仕組みのために出版物を安く出来ない
--皆が買いたいと思う吸引力…華人が翻訳した文学作品(吸引力が武侠だった)
**インドネシア大衆文学現代史
-930事件後
--武侠小説出版継続
--Mekar Djaia、Pautja Satya、Sastra Kumata、Gema等武侠小説出版のプラナカン出版社
-50-60年代
--香港の'''武侠小説'''''(梁羽生、'''金庸''')の翻訳''
-70年代
--台湾の武侠小説(''古龍'')の翻訳
-80年代-
--「新作」武侠小説
---立教の図書館にも置かれている中国語フリーペーパーや、池袋駅北口のチャイナタウンの中文書店で原文を入手できる
---非常に人気があるにもかかわらず日本では知られていなかったが、90年代になって香港のワイヤーアクションものの原作として人気が出た。
---日本人による翻案やモチーフもゲーム等にある
**インドネシアの中国近現代文学紹介
-Teng Ying Siang 訳『陳栓戯曲』国家出版局、1950
-曹禺『雷雨』ジャカルタ上演、1958
-茅盾『子夜』スラバヤ《Republic》連載
--1950年代(ほか魯迅先品も)
-プラムディア訳『白毛女』中国外文出版社、1958
-揚沫『青春の歌』Lekra、1964
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*前回リアぺ
-「クレオールとは何か」を理解しないで書いてあるケースがある。クレオール華人について分かっていればO.K.



*シエンのその後
**親愛なるデニス
-1988年執筆
--マレー人に向けた作品だが、あえて中国語で執筆(厳しい検閲を免れるため?)
-1989年大学専門学校文学賞
-執筆動機
--筆者の生い立ちによる(田舎、他民族との関係)
--民族紛争一歩手前だった当時(1978年)
-登場人物と「私」
--イコールではないが、寮での生活やマレー人との共生など無関係ではない
**華人系マレーシア作家
-マラヤ大学卒業後、日本およびドイツ留学(学位は取得ならず)を経て、現在アメリカ在住
--「マレー人である」ということへの目覚め
-前独立中国語ペンクラブ会員
-現アメリカパンクラブ会員
-現アメリカペンクラブ会員
-国際ペンクラブ東京大会2010で17年ぶりに来日

**ペンクラブとは
-国際ペンクラブと各国ペンクラブ
--作家、記者、出版社らが参加
-最古の人権団体の一つ
--言論、表現、出版の自由の擁護
-劉暁波
--独立中国語ペンクラブ会長(2003-2007年)
---大陸からの独立
--「08憲章」起草者の中心

**国際ペン東京大会2010
---日本で3回目の開催
---会場の一つは84年の前回と同じく京王プラザホテル
-亡命作家として参加
--"多文化主義へと雪崩を打つ現代世界"(国際ペン東京大会2010より)
-環境と文学「いま、何を書くか」…大会のテーマ
--基調講演:高行健(2000年ノーベル文学賞)

**日本ペンクラブについて
-阿刀田高会長、浅田次郎専務理事、吉岡忍常務理事
-国際ペンの日本センターとして、1935年発足(初代会長島崎藤村)
--満州事変後に国際連盟を脱退して、国際的に孤立に向かっていた日本
-国際的な文学の交流の場
**「秘密の花園」2009
-旅行記、環境保護がテーマ
-森林伐採と先住民
-ジャングルを転々として暮らすボルネオ島の先住民プナン族
-森の遊牧民の生活を脅かすのは「文明の破壊」ではないか
--森の中の水源、秘密の花園
--現代医学に驚きを与えるほどの薬草の知識

**社会問題と政治
-亡命作家として外から見た祖国
-人種問題から人権問題への展開
--独立中国ペンクラブからアメリカペン
-華人だけでなくマレー人、先住民を含む全ての''マレーシア人''へ関心の広がり
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*成績評価
**後期レポートについて


-2/3(金)締切のCHORUS提出
-これまで学んだことを元に、東南アジアいずれか一国あるいは一地域の文学について、近現代史・文化的背景言語・民族状況を背景に、作家や作品を中心としてまとめよ。