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11/06/13/3

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*前回のリアペから(ロマン主義的観光)
**世界遺産めぐり
-今年度の受講生はロマン主義的観光で世界遺産を想起する者が多かった
観光学部の先生は世界遺産が嫌い?←世界遺産指定までに政治的プロセスが存在、本物「らしさ」演出のツール
-登山
登山家の登山はロマン主義的であるといえる。トレッキングは違う
**ロマン主義的まなざし(分散的)
-ヒッピー→バックパッカー
バックパッカーの「沈没」(滞留)→「外篭り」=日本で生活費を稼ぎ、海外で暮らす
この例はロマン主義といえるか?(どの状態が戻るべき「自然」か、邪魔が入らない)
-まなざし観光
ゲストとホストの見方の類型化
*ジャンル批評(前回の続き)
**ゴシック小説
-18〜19Cドイツで興る
-恐怖、不安、異国、分身 ex.日本人のヨーロッパ古城観光
-真実味に欠けた内容を仰々しく描く
**リアリズム小説
-人生を客観的に描写し、物事のあるがままの「真の姿」で捉える
-19〜20C、ロマン主義の反動
-個ではなく関係で描く
-写真のような描写は可能か?←写真でさえ完全な「真の姿」ではない(構図の工夫、撮影後の編集etc.)
--メディアリテラシの核心
**サイエンスフィクション
-空想上(not現実)の科学技術の発達に基づく物語
「現時点でAの状態がBまで進歩したのだから、これがもしCの状態まで行ったらこうなるであろう」
--時代の進展によってはリアリズム小説っぽくなりうる⇔オーウェル『1984』
-認知的、科学的
-進歩と破局
*読者反応批評
テクストが何を意味しているかではなく、テクストが読者の心にどのように働きかけるかという点に着目←「読まれる」には読者が必要
-観光研究との親和性
旅行者が観光地をどのように感じるか
**読者の経験
-テクストの意味は読者の経験≠印象、読後感
-テクストによって誘発される反応すべて、一瞬一瞬で変わるもの
-読後の整理された解釈とは異なる
-それらの反応をすべての人に伝えるのは不可能。演出的になってしまうことを避けられない
ex.30分待っている様子を3分で描写する
**テクストと意味
-テクストが自立して存在することへの批判
-テクストに意味が内在し、読者がそれを取り出すという手順ではない
-作者の意図は意味を止める「釘」ではない(フライ)
**読者の経験の内容
-ある程度確実な'予測'
--予測の的中
--予測のはずれ←アイロニー
-テクストに登場する人物、事物への気持ち('''観光地でどんな人に出会うか''')
-そうした気持ちの「修正」、疑問
**構造の網の目
-テクストには読者を導く構造の網の目が張り巡らされている
-網の目は'選択'と'結合'でできている(今後の授業で説明)
--対象は慣習、規律、伝統etc.
-読者は網の目をたどって意味を構成する
-最後に読者の中に一貫した意味が浮上=テクストの意味
**意味の形成過程
-読者とテクストの相互作用によって進行
-読者をテクストに巻き込んでいくきっかけ('''旅行者を観光地に巻き込むきっかけ''')
--空白(切り換え部分)
--不確定性(と修正)←アクシデント
→読者によって異なる('''だまされ続ける観光からリアルな観光経験へ''')
**反応から解釈へ
-反応を言語化することによって生まれるのが解釈
-読者は自分の属する時代、コード、慣習、経験etc.(=解釈共同体)と結び付けて解釈する
※コード=文学ジャンルや芸術様式