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10/12/06/3

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*インドネシア文学、前回講義の続き
*九月三〇日事件
-1965.9.30:反共軍事クーデター
-インドネシア国民のトラウマ
-レクラの社会主義リアリズム(レクラ:インドネシア共産党人民文化協会)
-レクラ系作家粛清、投獄(⇒プラムディアもブル島に流刑)

*スハルト政権を中心とした開催独裁
-日本の間接的関与:ODAを通じた開発援助
-作家の非政治家(文学のための文学)

*ホリソン・グループ
-1963文化宣言:政治と離れた文学
-文芸誌『ホリソン(地平線)』
-930後文学の政治離れとフィット:スハルト開発独裁化で作家の非政治家
-シリアスな作品や実験小説

*検閲の時代
-スハルト長期政権(1965−98)の閉塞
-警察国家の典型
-新聞、雑誌の廃刊
-作品の発禁
-書き手の職場追放、軟禁、拘留、逮捕、投獄
-言論抑圧の陰湿化
-自己検閲の時代でもあった(抑圧される前に、自主的な規制を行う)

*「改革」による自由化
-発端はアジア通貨危機
-1998スハルト退陣⇒改革
-言論統制の終焉
-突然与えられた自由
-改革後の文学状況例(『カラム』12,1998)
1.「禁止思想」作品掲載
2. プラムディア作品出版紹介
3. タブーに触れた作品掲載
*プラムディア・アナンタ・トゥール
-1925-2006
-1980s- ノーベル文学賞候補
-1995 マグサイサイ賞
-2001 第11回福岡アジア文化賞
-押川典昭氏による翻訳(間接的な語りの訳出):ブル島4部作

*プラムディア国民文学ののち
-ジャーナリスト作家
-コミュニティーの文学:ウタン・カユと女流作家アユ・ウタミ

*シンガポール文学について
-1.島嶼部(木の世界)
-2.オーストロネシア
-3.湿潤熱帯
-4.459万人、697平方キロ
-5.中国
-6.大乗仏教
-7.イギリス1819(スタンフォード・ラッフルが上陸し、イギリスの基地として開拓)
-8.リークアンユー、1965

*民族問題をどのように題材化するか
**丁雲
-本名:陳春安
-1952クラン生まれ:「故郷包囲」(囲郷)1982:山中で共住する華人、マレー人

*シンガポール在住作家丁雲
-開高健記念アジア作家講演会シリーズ16
-マレーシアからシンガポールへの放浪
作品テーマ:故郷、(民族問題、都市化)、異郷(シンガポール)、現代史(労働運動、マラヤ共産党)、宗教(キリスト教)

*シンガポールのことば
-シンガポールの言葉:マレー語(共和国憲法)
-インドネシア、マレーシアというマレー・イスラム国に挟まれた小国家の戦略
-公用語(マレー語、中国語、タミル語、英語
-英語が共通語かつ行政語として、事実上の国語)

*シンガポールの英語
-イギリス東インド会社社員ラッフルズが1819年に「発見」・建設したシンガポール
-英語は宗主国側に最も便利なことば
-植民地時代の言語間ヒエラルキーは英語を頂点
-後に植民地期から脱植民地期にかけて標準化(国民が選んだ)

*シンガポール独立後の二言語政策
**英語を柱とする二言語政策
**与党「人民行動党」支持率が低下した70年代末意向
**英語オンリー=欧米的価値観の普及に対抗
**母語による道徳(公民)教育の権利
-「講華語」(共通中国語を話しましょう)運動
-大多数を占める華人は、特に儒教が選定された(マレー人はイスラム)
-家庭内言語である中国語方言の追放

*中国語の定着
-80年代までは勝負ありと思われた英語教育派vs中国語教育派
-「講華語」運動は中国語教育派に公然と中国語、中華文化を推進する機会を与える
-中国の経済成長という外的要因
-中国語はもはや後戻りできないトレンド
-小学校卒業試験などの振り分けテスト(富裕な英語家庭で、中国語教育重視の私立幼稚園が支持)
-高等教育(かつての中国語教育の牙城、南洋大学(1957~1980)の校地を継承し、1992年に大学に昇格した南洋理工大学)
-「南洋大学」への改称論も