ホームステイ
アウトバウンド
- 『ブルネイ』という国はどこにあるのか、それ以前にブルネイという国があるということすら知らない日本人がほとんどではないだろうか。正式名称ブルネイ・ダルサラーム国(Brunei Darussalam)。首都はバンダルスリブガワンで、イスラム教を国教とする。
- 今回は格安航空エアアジアを利用しクアラルンプール経由、長時間に及ぶフライトを終え着いた先のブルネイは、聞いていた通り真夏の気候でとにかく暑かった。例年通り、一家庭に日本人学生が2、3人ずつ1週間ホームステイをさせて頂いた。初めの3日間はホストファミリーと一緒に過ごした。私のステイ先では、初日にブルネイ対ミャンマーのサッカー国際戦の試合観戦へ行った。黄色いユニホームに着替え、途中雷雨でびしょびしょになったが、知らないブルネイ人と一緒になり大声で声援をあげての観戦はとても新鮮であった。2日目には市場や川、ジャングル、海にも連れて行ってもらった。見たことのない奇妙な色や形の食べ物ばかりで大変面白かった。驚いたことに、外の市場の野菜やフルーツに並んで、ケースに入った猫が売られていた。イスラム圏では猫は良く家庭で飼われているらしく、ステイ先にも可愛い猫がいた。夜には民族衣装を着せてもらいホームパーティーに出かけた。男性が一つの部屋に集まり、コーランを読みながらのお祈りが始まった。その後は沢山の料理をみんなで食べながら談笑。景品が当たるビンゴゲームを夜中までしつづけたり…本当にこの国の人達はパーティーが大好きだ。私たち日本人にはとてもついていけないくらいの盛り上がりである。3日目にはEMPIRE HOTELを見学した。ここまでするか!と思うくらいものすごく豪華なホテルであり、日本の皇太子御夫妻も宿泊されたことがあるとか。4日目は皆揃い毎年恒例であるテンブロン国立公園ツアーへ。虫除け・日焼け防止のため長袖・長ズボンの完全装備で出発。カヌーに乗り、目的地まで猛スピードで川を渡る。風が痛いくらいで気持ち良かった。しかしその後ジャングルに入り、道のないドロドロの急斜面をロープ伝いで登っていくのは辛かった。山の上までついた後には皆へとへとになり休憩。だがここからがメイン。山頂のキャノピーウォークを渡るため、鉄筋の階段をゆっくりと慎重に登って行った。やっとのことで着いたキャノピーは、ものすごく高いところにあって、とてもその高さは写真ではわからない。皆無事に登り終えた後は、野生のドクターフィッシュがいるという滝壺へ。膝上まで水に浸かり、全身ずぶ濡れになりながらのこのツアーは、日本では100%体験することのできないスリル満点だった。5日目は各家庭のホストファミリー、現地の大学生とビーチでバーベキュー。砂浜でゲームをしたり小さな子ども達と遊んだりと、予定にはない企画であったが、最高に楽しい一日となった。その他の日はモスク見学や水上バイクでのジャングルツアー等色々な所を見学した。
- ブルネイの代表的料理はサグーというお餅のような料理である。日本の割り箸に似た箸(割らずに使うのだが)でくるくると巻きつけて食べる。味はソースをつけないと殆ど無いが、かなりお腹にたまる。イスラム圏なので、Chineseなどの家庭以外はもちろんお酒や豚肉はタブーであり、食品を買う際には必ずハラルマークがついているものを選ばなければならない。しかし殆どの料理はさっぱりしていて美味しく、日本人好みだと思う。
- このブルネイホームステイで私が一番感じたことは、ブルネイの人は皆暖かくて大変フレンドリーであるということである。誰かが体調が悪いと一生懸命助けようとする。全く知らない人であっても気軽に話しかけ、すぐに仲よくなってしまう。実際私が撮った写真の中には、ホストファミリーでも知り合いでもない人々が笑顔で沢山写っている。変な言い方をすれば、「誰もがみな友達」という感じである。これは国土の80%が森林という自然の豊かさや経済的な豊かさ、治安の良さ等などから来る国民性なのか…。平和・静寂・大自然・暖かい人々…ブルネイはそんな言葉が思い浮かぶ国なのではないかな、と私は思う。
インバウンド
- 舛谷ゼミの異文化交流はゲストとしてのホームステイだけではなく、海外からの学生をゼミ生で受け入れています。毎年6月下旬にマレーシアの国立マラヤ大学から20名弱の学生が来日し、原則一人一家庭で受け入れ、またゼミ生企画のインバウンドツアーも行います。昨年は歓迎会から始まり、キャンパスツアー、原宿・秋葉原・浅草のインバウンドツアー、そして1泊2日のホームステイを含め、彼らと約1週間共に過ごす中で“ホスト”としておもてなしをする楽しさや難しさを経験しました。
- マレー人はムスリムであるため宗教上、特に食事の面で気を付けなければならないことがあります。ゲストとして自分自身が海外へ赴く際は“郷に入っては郷に従え”の精神を大切にしますが、ホストとして相手を受け入れる場合、相手の好みや宗教などを尊重しながら日本を楽しんでもらう大切さを感じます。限られた時間の中で、彼らが楽しんでもらえる場所・モノ・ことは何かと考えおもてなしをすることは大変ではありますが、同時に日本の良いところを再発見できる機会にもなっています。1泊2日のホームステイでは、一緒にクレープを食べてプリクラを撮ったり、サークルの活動に参加したり、地元の公園をお散歩したりとおもいおもいに過ごします。観光名所に行くだけでなく、私たちのごく普通の生活を体験することが彼らにとって新鮮であり、意外にも私たちの日々の暮らしが彼らを惹きつけるものであることに気付かされます。
- 今年も例年通りマラヤ大の学生が来日する予定ですが、今回は昨年の都内観光に加え、江の島・鎌倉ツアーと横浜ツアーを予定しています。また毎年の反省点でもある事前の準備不足を解消するために、今年はFacebookを利用して予め彼らの要望などを聞いておくことで、短い時間をより充実させたいと考えています。別れ際に「楽しかった、また日本に来たい」と言ってくれた笑顔のために今年もゼミ生で協力しあい、受け入れの準備を進めたいと思っています。そして、新しい出会いや発見を今から心待ちにしています。
トラベルライティング
- トラベルライティングとは、日本のトラベルライターの奨励を目的とするプロジェクトです。メンバーは、トラベルライティングアワードの運営と、フィールドワークの実施を中心に活動しています。トラベルライティングアワードでは、前年1-12月の航空機内誌や鉄道車内誌を各社から取り寄せ、掲載されているトラベルライティングを皆で講読していきます。数々のトラベルライティングの中から時間をかけ「私たち観光学部学生が興味深く読める」「読んでみて新鮮な発見がある」「読んだ後そこに行ってみたいと思える」「写真が効果的に使われている」という4つの選考基準をもとに、候補作品を選出します。その後、全ゼミ生に講読、投票してもらい、当年度の「トラベルライティングアワード」受賞作品を決定します。アワードに輝いた作品の著者には、毎年トロフィーと賞状の授与を行っています。
- JTB旅の図書館へのフィールドワークも毎年恒例の活動です。この図書館は日本各地や世界各国のガイドブック、地図、紀行文など2万5千冊以上所蔵する旅専門の図書館で、航空会社の機内誌や各地のパンフレットもあります。多くの旅にまつわる書物にふれ、トラベルライティングについての知識を深める良い機会となっています。他にも、ANA機体工場見学や高島屋でのフィールドワークを自主的に企画し、講読だけではなく、様々な場所に足を運ぶことも大切にしています。
ICT
- ICTとはインフォメーション コミュニケーション テクノロジーの頭文字で、情報通信技術を意味しています。このプロジェクトは、インターネットやコンピューターに触れる機会を増やし、ICT関係の知識や技術を学ぶ場です。それらの技術を使って観光事象を外へ広報していく活動をしたり、実際にサーバーなどの機器に触れてICT技術の知識を実習する場となっています。このプロジェクトのはじめの活動ともいえる秋葉原フィールドワークで個人用の端末を購入し、それを中心にICT技術に触れてみる事から始まります。具体的にはLinux OSを購入した端末にインストールしたり、立教大学観光学部舛谷ゼミの紹介をしているゼミのホームページを利用して自己紹介ページを作るなどといった課題を通し、メンバーの知識を増やしていきます。また、ITパスポートという情報処理の国家資格取得を必須としており、学内のe-learningを利用し、ICTの基礎を学んだ上で資格取得に向けた本格的な学習に入っていきます。これによってメンバーが観光学部生ながら就職活動においてIT業界を目指す要因となり、就職活動における視野を広げる事にも貢献しているといえます。今後はスマフォ用Androidアプリ開発のためにプログラミング学習を活動に取り入れ、さらにサーバーの管理・運用について1から学び、ゼミのサーバーをより豊かにしていけるように学習していく予定です。