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11/07/11/3

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前回のリアペから(自分の中の男女差別)

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フェミニズム・ジェンダー批評

差異の追認

  • 「生物学的」と考えている事象の多くが、実は構造主義的(文化に根ざしているもの)ではないか
  • 自分の判断の根拠はいつ、どのように形成されたか再考する契機
  • 結論を出し追認するとあらゆる分野に影響

構築主義(社会構造主義)

  • 社会の構築は言語を通じてのみ行われ、言語に従属することでのみ主体は成立する
  • 社会的構築=言語的構築
  • 構築主義vs実存主義

差異を伴う三領域

  • ジェンダー(男/女)=ジェンダー批評
  • 労働者階級(資本家/労働者)=マルクス主義批評
  • 人種(先進国/発展途上国)=ポストコロニアル批評

マルクス主義批評

マルクス主義の二項対立

土台論
上部構造(法律、経済、社会、文学)を下部構造(経済)が支える
階級間闘争
支配/被支配

イデオロギーと批評理論

  • イデオロギー(あるものの見方や考え方)は批評理論のすべてに反映される
  • 批評理論と歴史的背景 cf.科学論

  • 時代的拘束という意味で、「世代論」もその影響か

マルクス主義批評

  • 社会=土台論(法律・政治/経済)
  • 歴史=階級間闘争(正-反-合による社会進化論)
  • ヘーゲルの観念的弁証法が唯物論的弁証法へ変容

  • 個人=イデオロギー論
  • 虚偽意識による受容の強制

マルクス主義批評への批評

  • 上部構造は下部構造によってのみ規定されるのか
  • 社会的差異は「階級」だけか
  • 文学作品には支配階級のイデオロギーを反映するだけか

ポストマルクス主義による解決〜土台論

  • 上部構造の自立性(エンゲルス『マルクス主義と文芸批評』)
  • アルチュセール(仏、1919ー1990)…ポストマルクス主義哲学者。ラカン+マルクス
    • 無意識(社会)による意識(個人)の決定
    • ラカンの精神分析学とマルクス主義の二重写し

    • 上部構造ー下部構造の関係は建築的比喩ではなく「重層的決定」がなされるもの

ポストマルクス主義による解決〜階級闘争

  • 社会を動かすのは先験的に労働者であるといえるか
  • 「労働者階級」なるものはヘゲモニー闘争(覇権争い)の結果事後構築される

ポストマルクス主義による解決〜イデオロギー論

  • イデオロギーは相対するイデオロギーによって構成されている
  • 文学作品の中で共存する支配者階級のイデオロギーと被支配者階級のイデオロギー
    • ポリフォニー(多声性)テキストp.76
    • ほぼ単一に見えるプロパガンダ(イデオロギー宣伝)さえも
    • 『蟹工船』などのプロレタリア文学ブーム

文化批評

cultural Studies(文化研究)

  • 文化一般についての学問横断的研究手法
  • この考え方を土台にした批評=文化批評
  • ハイカルチャーだけではなくローカルチャー、サブカルチャーにも着目
  • 古典(キャノン)再考

  • 価値評価ではなく、文化的背景における作品の位置づけ

「フランケンシュタイン」イメージの構築

  • 文学作品→舞台→映像
  • 怪物とフランケンシュタインの混同(テキストp.193)
  • 人間が中心の作品が怪物中心に捉えられる

  • 原作からの逸脱と変容(テキストp.201〜)
    • 「科学者が死体を合成して生きた人間を作る」という話
    • 映像化によるイメージ構築とその背景
    • 怪物像の変遷

観光学部とCS

  • 06年から交流文化学科開設
  • 英語名はDepartment of Tourism and Cultural Studies

「理論」による研究の活性化

  • 狭義の文学の理論でない
  • 講義の文学の理論(=CSの範囲)
  • 批評理論による理論的解釈
  • CSによる実践

CSの出現

  • 研究・学説史(先行研究)の重要性
系統1〜フランス中心の構造主義
経験で記述するのではなく、経験を可能にする足元の構造を解明する。伝統(文化の中で自然に見えるもの)は全て創出されたもの
系統2〜イギリス中心のマルクス主義
人々の表現としての民衆文化(Pop Culture)、人々に押し付けられた大衆文化(Mass Culture)。バーミンガム大学現代文化研究センターが中心

様々な緊張関係

  • 民衆文化(回復)⇔大衆文化(抑圧)
  • 文化や実践による「呼びかけ」
  • 呼びかけ(interpellation)の言うがまま?

  • 行為の主体性(agency)はどこまで規制されるか
  • 民衆文化の価値の表現
  • 欲望が創造される仕組み

緊張が高まる場

  • マイノリティ・移民・女性
  • 〜それぞれの文化に各々のアイデンティティ

文学研究とCS(キャノン)

  • 文学のキャノン(経典・古典)
  • 民衆文化の奨励は「世俗化」であるか
  • 読むべきもの(?)を正しい読み方(?)で読む(?)

  • CSによるキャノンの拡大
    • マイノリティ文学…ジェンダー・民族
    • ポストコロニアル文学…国家
  • 文学的美点
    • 〜によって読むべき物が選ばれたわけではない
    • 限られたジャンル、限られた地域の代表

    • 〜という価値基準は非文学的な基準で歪められてきた
    • ex.人種、ジェンダー

    • 〜の概念自体が争点
    • 利害や目的のない唯一の基準は存在しない(?)

  • 分析方法
    • 文化はまとまりのある社会の「全体性」(傾向)の兆しである
    • マルクス主義的(史的唯物論)なCSの見方

CSの記述より介入を望む姿勢

  • 民衆文化(非高級文化)研究の意義
  • 高級文化が確立しているイギリスと高級文化を敵視するアメリカ

文学研究とCSの区別

  • 研究する価値を認めるかどうかの問題
  • 対象そのもの、個々の論理

  • 解釈手法の短所・長所の問題
    • 鑑賞的解釈(文学○CS×)
    • 徴候的分析(文学×CS○)