8章 アイデンティティ、同一化、主体
主体
主体についての議論
- 脱中心化
- 主体はある力(従属する制度)によって形成されえる何か
- 従属する制度による違い
- 精神分析学→主体は心と性と言語のメカニズムが交錯してできた産物
- マルクス主義→主体は階級的な位置によって決定される
- フェミニズム→主体の決定には、社会的に構築されたジェンダーの役割が与える影響が大きい
- クイア理論→異性愛的な主体は、同性愛の可能性を抑圧して構築される
文学とアイデンティティ
- 物語文学における「運命」
- 文学はアイデンティティ形成のモデルを提供する
- プロットの例
- アイデンティティのパラドックスは文学に以前からあるテーマ
- 所与か構築か(アイデンティティは行為の結果として生起するものの、同時に、アイデンティティがそうした行為の原因としても考えられる)
文学におけるアイデンティティ・パラドックスの解明
- 個人/集団
- 独自性と典型性の結合(2章)
- 文学におけるアイデンティティの追求は個人的で、社会的問題は無視されることも
- 同一化のメカニズム(モデル提示)による→文学が読者に代理体験をさせる
- 表彰か、生産か
- 言説はアイデンティティを表象するか生産するか
- 「近代の個人」
- 真の自己は家族の愛情を通して、それとの関係を通して見出す
18世紀の英語小説より
精神分析学
- アイデンティティは同一化の過程によって形成される
- フロイト
- 他社が提供するモデルによって、主体が他社と同化し、変身していく心理的過程
- ラカン
- 6-18ヶ月の幼児が鏡に映った自分を統一体と気づき、ここからアイデンティティが始まる
- 精神分析の先例はすべて小説のうちにあり
集団的アイデンティティ
- 重層性を認めるか
- 周縁(多くの場合マイノリティ)のアイデンティティ
- 母集団(主流社会)に押しつけることを論証し拒否
- 母集団の資源に変えられないか考察し受諾
支配的な構造
- アイデンティティをめぐる混乱
- 意図的な行動が世界を変えることを論証できない
- 強制的なパフォーマティブを変形、反復による創造(バトラー)
- 責任と行為主体を制限するという伝統的思考
- 行為主体と主体の構造
- サバルタン
- 声なき民の声
- アメリカのインド人女性研究者スピヴァク
- 植民地主義の抑圧か浸透か