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13/04/29/3

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*復習
-意識>言語:20世紀
    ―言語論的転回
-言語>情報:21世紀
    ―情報論的転回:専門知から集合知へ
    ―主観知の交流の場としてのネット
※主観知=自分自身の意識。専門家の言うことは当てにならない。

*授業内容
**メタフィクション
-作中で登場人物に文を読み上げさせるなどして、それが作り話であることを意図的に読者に気付かせること。語り手が前面に出てくる。
例:ドラマのナレーション、劇中劇、コントの客いじり
-『草枕』においては、間接経験と直接経験の中の遠近法を際立たせている。

**テクスト
-テクストが読者に働きかける
-経験を思い起こさせるのがテクスト
個々人の経験の全てを他者に伝える事は不可能である。小説を読んで読者が思い浮かぶものは、テクストが与える印象ではなく、伝える事や記憶として留めておく事が難しい経験の断片である。(細かな経験は些細なことから思い起こされる)
-テクストは意味を“こうだ!”と示すものではない(テクストが自立して存在することに対する批判)

**テクストの解釈
-小説の意味は読者とテクストの相互作用で作られる。
-小説には、読者が読んでいて必ず引っかかる箇所が存在する。読者はそれを解釈するにあたって、コードを絡めての解釈を行うので、ある程度同一方向に誘導できる。
コードの例:自分の所属する時代、規範(小説の場合は文学ジャンルや芸術様式)、慣習、経験

**解釈共同体
-テクストの意味は読者個々人にあるが、各々から同じような解釈が出てくる集合体。
例:地理学のゼミに所属する人は、無意識に地理学と絡めて物事を解釈する。



**物語(ナラティブ論)

-ストーリー(時間順)
  ―出来事を時間に沿って並べたもの
    →妻が重い病気になった。夫は毎日泣き暮らすようになった。
-プロット(因果関係)技法として高度(理由は~である、とつなげる必要があるから)
  ―出来事は再構成したもの。あらすじ。
    →夫は毎日泣き暮らすようになった。理由は妻が重い病気にかかったからだった。
-通常、小説の技はストーリーではなくプロット

**差異
※次回の講義で詳しく扱う
-「オリジナルとコピーの差異の消失」 ベンヤミン
-発信に対して、主観を交えない受信が行われる→受け手と送り手の区別が難しくなる
例:鮮明な写真と実際の風景
-思考は消えていくから価値がある