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11/06/27/5

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*プロジェクト報告
**ICT
HPが完成(3年生が主導) カメラ設置 講演会の記録7/1金曜日にUP
**観光まちづくり
屋形船に2年生が大勢参加し大変にぎやかだった
**トラベルライティング
アワード受賞者の岡田氏からイワシ祭りをオススメする旨のコメントを頂いた

JALとANAの機内誌を各自図書館で閲覧しリストを作成する
**日本とアジア
浅草の戦跡をめぐるフィールドワークを7/31に実施予定
**まなざし観光
7/7の午前中に河童橋フィールドワークを実施予定

事前予約が必要のため、参加希望者は3年の毛塚さんまで連絡すること
**グローバルスタンダード
ファストファッションの本を買って割り振りを決定済

旅行博の企画コンテスト 7/18しめきり 課題は「日本の復興支援に対するお礼の企画」
**ホームステイ
昨年いたマラヤ大の通訳担当の人が今年はいなかったため、意思疎通が難しかった
*海外合宿
参加する人は航空券代を7/11までに片山まで振り込むこと
予算は18万円程?はっきりした金額を確定し参加者を決定予定
*講読
8 フィリピンのツーリズムと観光地の露店商人
(P113~131)担当:中原
**1 はじめに

-東南アジアの中で距離的に最も近い
-歴史的・社会的に関係の深い国である
--1614年キリシタン大名高山右近がキリシタン大名追放令に基づきマニラに赴き彼の地で没す
--1620年代の日本人人口は約3000人
--戦前:ミンダナオ島のダバオではマニラ麻の生産に従事する日本人が1万人以上いた
--戦中:日本の占領地としてレイテ島の戦い等、数々の激戦の地となった
--戦後:日本からのODAの受入額で有数の国になり、在日フィリピン人と日本人との国際結婚も増加
**2 フィリピンの概要
-(1)その国土と人々
---国土面積29万9,404 ㎢
---フィリピン海、南シナ海、セレベス海、スル海の4つの海に囲まれている
---主な島にルソン島、ミンダナオ島、サマール島、ネグロス島、パラワン島などがあり、主要11島で総面積の約96%を占める
---熱帯性気候、年間通じて約26℃と暖かい
---人口8310万人(2005年)
---マレー系95%、その他中国系、スペイン系、混血、イフガオ族やアエタ族等の100以上の少数民族
---宗教:カトリック83%、プロテスタント10%、イスラム系5%-(2)略史
--植民地時代
---マゼランのフィリピン到着(1521年)
---メキシコ総督府高官レガスピ、セブ島に到着及び領有を宣言(1565年)


→これを皮切りに以後300年のスペイン植民地支配が始まる
---世俗的権力とカトリック権力が密接に繋がる


→民衆に貢税と強制労働を強いる
---19世紀後半、ホセ・リサールを代表とするフィリピンで高等教育を受けヨーロッパに留学し、先進的な思想を持った人々がスペイン統治に異を唱え始める
---1892年 革命組織カティプナン結成
---1898年 米国の支援を受け独立戦争に勝利
--独立以降
---米国のフィリピン統治=恩恵的同化


→段階的自治を認め最終的に独立を目指す
---1935年 独立準備政府発足


→しかし1941年の日本の侵略、占領により独立は1946年7月4日まで伸びた
---1965年 大統領フェルディナン・マルコスは公共事業に力を入れる一方、取り巻きの政商達と私腹を肥やした。
---さらに1983年政敵のニイノ・アキノが暗殺されると支持率は一気に低下、大統領選を行うも不正に塗れた選挙は支持されずマルコス退陣を訴えた⇒2月革命
---コラゾン・アキノ、民主主義の復興を図る
-(3)経済
---名目国内総生産(2006年)-1,169億ドル
---一人当たり1,382ドル<1,899ドル(東南アジア諸国連合の一人当たり国内総生産の平均)
--国内総生産の構成比
---サービス業54.6、鉱工業31、農林漁業14.1(%)
--就業構造
---サービス業48.6、鉱工業14.8、農林漁業36.7(%)


→第一次産業の占める割合が大きい
---主要農産物:バナナ、キャッサバ、ココナッツ等
---失業率11%(2006年)
---貧困率30.4%(2003年)
**3 フィリピンのツーリズム
-(1)最近のフィリピンのツーリズムの動向
--国内観光
---パッケージツアーの出現、航空券価格の低下による国内観光客の増加


→家計調査(2005年)によると4~9月までに2,310万人のフィリピン人が国内旅行を行った
--国際観光
---観光客数:1991年95万人,1996年200万人,2007年309万人
---観光客増加の外部要因:国際移動の容易化、中国をはじめとするアジア諸国における中間層の増大
---内部要因:政府の国際観光開発政策


→フィリピンの国内総生産の約10%が観光産業
---国・地域別内訳
---000年1位アメリカ、2位日本、3位韓国
---2006年1位韓国、2位アメリカ、3位日本、4位中国
-(2)フィリピンのツーリズムの課題と観光政策
--課題
---他のASEAN諸国に比べるとまだまだ努力が必要  ex)タイ:1,115万人、マレーシア:1,580万人
---その『障害要因』として以下が挙げられる


…反政府勢力の存在、観光地がマーケティングされていないこと、インフラの未整備、宿泊施設の不足etc
---その他


…観光への投資を呼び込むインセンティブ、マーケティングが不十分、ポテンシャルがあるにもかかわらず衛生面・環境面等の問題でそれを活かしきれてないコミュニティ
--ツーリズム・マーケティング
---国際観光の促進、国内観光の促進、観光情報サービスの充実


→日・中・韓を優先的にターゲットに指定

●対中政策
---査証の規制、手続きの緩和
---広東省、上海、北京との航空便の増加
---標準中国語での広告を使用 etc…

●対日政策
---愛知万博(2005年)に焦点を合わせ、開催期間中『トラベル・ホリデー・プロモーション』をパビリオンで実施、観光客誘致に尽力

●対韓政策
---観光WEBサイトの更新
---マーケティングの代表を韓国に配置
---祭日経済(Holiday Economics)の実施

-より長い週末を提供するために国が実施した、祭日を調整するための政策
---祭日経済により


1.フィリピン人の家族が観光地を訪れる時間を増やす


2.フィリピンの文化と遺産について自覚させる

→結果、この政策によって国内観光は増進した
--観光地開発
---内外から投資を呼び込み、十分なサービスが提供できる基準にまで観光文化を持ち上げる
---リーチャード・ゴードンが観光地開発を大きく促進させる
---ワオ・フィリピン(WOW Philippines)プログラムを核とし、フィリピンを代表する観光地を世界的に宣伝する。Ex)ボラカイ、バナウェ、パラワン…
---2006年バナウェを訪れた約9万人の観光客の内、約3万2千人は欧米系を中心とする外国人旅行者
--海外投資の呼び込み
---経済成長の為の観光開発にはレジャー施設の開発・建設が必要不可欠

→フィリピンのような発展途上国は海外からの投資に頼らざるを得ない
---投資振興局の設立
---海外からの投資によって経済発展を目指す
---法の整備
---各分野への投資によるツーリズムの成長
--観光文化涵養
---観光省が考える観光文化の三つの要素

1.責務-お土産・サービスに対して責任を持つ

2.魅力-観光客の期待に応えられるイベント活動等

3.保障-犯罪のないこと、交通のスムーズなこと
---具体的な施策として、全国的な清潔キャンペーンがある。観光地のトイレをきれいにし、路上生活者にもシェルターを提供する。
---その他にも公共交通機関に安全に乗れるようにしたり、学生・若者に安価な宿泊施設を提供するといった政策を行っている
**4 観光地の露店商人
-(1)都市貧困層としての露店商人
--露店商人とは
---人が多く集まる都市部で商売をしている
---手元に資本が無く店を構えることが出来ない人々
---露店商人の多くはインフォーマルセクターに従事し、都市貧困層に属す
--露店商人の出自と生活
---その多くは地方からの出稼ぎ
---良い職に就くのは困難な為、参入障壁の低い露天商となる
---マニラは既に過剰都市化しているためスラム地域やスクオッターと呼ばれる不法占拠地に住むことになる
---貧困の再生産
---露店商人内での格差⇒陳列する商品・住居環境が異なる
-(2)リサール公園とそこで商売をする露店商人の概要
--リサール公園と露店商人

●リサール公園
---西:マニラ湾
---東:タフト通り、高架鉄道、フィリピン師範大学等
---南:「ツーリストベルト」と呼ばれる地域
---北:スペイン統治時代のイントラムロス
---内部:リサール・モニュメント+その他

●リサール公園の露店商人
---外部:公園内部の露店商人と比べて店の規模が小さい
---内部:立派な造りの屋台を持っており電気も引いている。商品の種類も豊富
-(3)リサール公園の外側で商売をする露店商人の例
---母親も露店商人
---平均で1日約350ペソの利益
---客はオフィスワーカー中心→観光客は主に公園内部を周る
---警察の取り締まりが厳しい→毎週50ペソの賄賂
---公園内で商売をしたいが、その為にはリサール公園露天商組合に参加しなければならない

→コネクションと資金が必要になる
-(4)リサール公園の内側で商売をする露店商人の例
---公園内が住居
---雨天時300ペソ、晴天時500ペソの利益
---固定客を手に入れることにより収益を上げる
---公園内での商売は合法的
-(5)ツーリズムによる露店商人の生活の変化
--リサール公園外部の追い払い政策
---公園内部は安全が確保されているが、一般的に外部の方が収益は多い

→公園外は観光客に加えて昼間オフィスで働く人々が顧客となる。ハイリスク/ハイリターンとなっている
---政府及びマニラ市は露店商人を観光開発の過程において邪魔になる存在であると認識している
---イントラムロス、サン・オウガスチン協会、マニラ大聖堂、いずれの建物の付近にも露天商人の姿は見られない
---リサール公園周辺はマニラ市の管轄であり、市長苦情対策チームと公益事業局が不法に営業する露天商の取り締まりにあたる。
--カダマイとリサール公園内部の露店商人組合

---観光省の下部組織国立公園開発委員会がリサール公園内部を管理している
---以前は観光開発を妨げるものとして露店商人を排除しようとしていた
---カダマイ(KADAMAY)の出現-都市貧困層を組織化
---彼らにリサール公園内部の清掃を任せてみようという試み

→実質的に公園を管理していた国立公園開発委員会の反対にあい実現せず
--国立公園開発委員会の方針転換
---新たな局長の任命
---ゴードンの提唱した計画を実行
-公園内の露天商合法化の代わりに様々な規則を設けそれを遵守することを要求
---公園内の露天商は清潔感あるものとなった

-観光振興のためのパートナーとして公園の管理に貢献する集団となった
---公園外の露天商と行政との敵対的な関係は未だ変化がない
**5 おわりに
---公園内:パートナーシップを結ぶことにより安心を得る
---公園外:行政から邪魔な存在だと疎まれる
---リサール公園のような例は稀である
---露天商は追い出すのが基本である
---同じような政策が施行されても
---スペースが限られている為生計は立てられず、
---さらにその参入障壁も決して低くはない。
---このように効果は限定的にも関わらず、本政策はマニラの取り組むべき問題に示唆を与えている
-公園内:パートナーシップを結ぶことにより安心を得る
-公園外:行政から邪魔な存在だと疎まれる
-リサール公園のような例は稀である
-露天商は追い出すのが基本である
-同じような政策が施行されても
-スペースが限られている為生計は立てられず、
-さらにその参入障壁も決して低くはない。
-このように効果は限定的にも関わらず、本政策はマニラの取り組むべき問題に示唆を与えている