交流文学論<第14回>
差異(他者構築)を伴う三領域
- 人種(ポストコロニアル)…③
- 労働者階級(マルクス主義)…①
- フェミニズムとジェンダー…②
- ※これらをまとめて扱うカルチュラルスタディーズ(CS)
フェミニズム批評とジェンダー批評
- フェミニズム批評は女性に特化
- 男性と中性:クイア(セクシャルマイノリティ)は入りにくくジェンダー批評の領域か
構築主義(社会構成主義)
- 社会の構築は言語を通じてのみ行われ、言語に従属することでのみ、主体は成立する
- 主体の集合が社会を成立させるわけでも、社会に外在するわけではない
- 社会的構築=言語的構築
- 構築主義(構造)vs実存主義(本質)
観光学部とCS(Cultural Studies)
- 2006年度から交流文化学科開設
- 交流も増えれば観光もふえる
- 英語名は当初
- Department of Cultural Tourism
- Department of Tourism and Cultural Studies
理論による研究の活性化
- 狭義の文学の理論ではない
- 広義の文学の理論
- 批評理論による理論的解釈
- CSによる実践
文学研究とCS
- CS:近代以降の文化の働きを理解する
- 文学を文化的実践の一つとして検討可能
CSの出現
- 研究・学説史(=先行研究)の重要性
- 系統1
- フランス中心の構造主義
- 経験を記述するだけでなく、経験を可能にする足元の構造をつきとめる
- 伝統(文化の中で自然に見える者)はすべて創出されたものである
- 例:バルト
- 系統2
- イギリス中心のマルクス主義
- 人々の表現としての民衆文化(Popular Culture)
- 人々に押しつけられた大衆文化(Mass Culture)
- 例:バーミンガム大現代文化研究センター
さまざまな緊張関係
- 民衆文化(回復)/大衆文化(抑圧)
- 文化や実践による「呼びかけ」
- 呼びかけ(interpellation)の言うがまま?
- 行為の主体性(agency)はどこまで規制されているか?
- 民衆文化の価値の表現/欲望が想像される仕組み
緊張関係が高まる場
~それぞれの文化と各々のアイデンティティ
文学研究とCS(キャノン)
- 文学のキャノン(経典、古典)
- 民衆文化の奨励は「世俗化」か?
- CSによるキャノンの拡大
文学研究とCS(キャノン)
- 文学的美点―
- によって読むべきものが選ばれたのではない
- という価値基準は非文学的な基準でゆがめられてきた
- の概念自体が争点
文学研究とCS(分析方法)
- 文化はまとまりのある社会の「全体性」のきざしである
- マルクス主義(史的唯物論)的なCSの見方
- ヘゲモニー:支配の仕方
文学研究とCS
- CSの、記述より介入を望む姿勢
- 民衆文化(非高級文化)研究の意義
- 高級文化が確立しているイギリス
- 高級文化を的とするアメリカ
文学研究とCSの区別
- 研究する価値があるかどうかの問題
- 解釈方法の短所、長所の問題
- 鑑賞的解釈(文学○、CS×)
- 徴候論的分析(文学×、CS○)
文化批評
- カルチュラルスタディーズ:CS(文化研究)
- ハイカルチャーだけでなく、ロー(サブ、カウンター)カルチャーへの着目
- 価値評価でなく、文化的背景における作品の関係づけ