交流文学論<第11回>
ジャック・デリダ(1930-2004)
- アルジェリア生まれのユダヤ系フランス人哲学者
- 現象学(5章)から出発し、脱構築(ディ・コンストラクション)へ
中心や保証はない
- 西洋思想は中心原理に頼ってきた
- 存在、本質...(P151)
- 体系内のどちらかの極しかない
- 西洋思想に共通する言語の優劣
- しかし、話し言葉はすでに書かれている
書き言葉の特性
- 反復されうる
- 読みうる
- 空間どりに従う
- 他の記号と切り離されている
- 指示対象から切り離されている
言語行為論と観光
- 観光体験によって促されるもの
- 事実確認的結果(constative)
- 「これはこういうものだ」「このような事実がある」
- 行為遂行(performative)的結果
- 「こうせよと促す、唆す」「真実としんじさせる」
- 観光という言語によって行為遂行していると言えないか?
解釈学的循環
- 結論から導き出す
- 統一性はテキストではなく、読み手の解釈にある、あるいはよる
- 汚染されないあるいは超越的な、神の視点はあり得るか
アレゴリー
- ことばの彩
- 言い間違い
- 勢い
- これらは特に意味がないと思われるが...
- メタファー、あるいはメトニミーとして捉える
歴史問題の本質
- 歴史もまた語られたものである
- 解釈のない真実はない
- =意識の構造を通らない情報はない
分析のためのパターン
- アイロニー
- シネクドキ
- メトニミー
- ハイパーボリー
- メタファー
- メタレプシス(重喩)
言述と力
- 主観のない客観的事実はない
- ことばこそ人間の中心的な活動
- どんな秩序も更新され得る
フーコーとまなざし
- ミッシェル・フーコー(1926-84)
- 狂気/正気
- 病気/健康
- 有罪/無罪
- cf.アメリカの弟子:サイード
結局ポスト構造主義とは
- ディコンストラクション
- 非決定論
- 失敗(=沈黙)を常に抑えきれない人間