交流文学論<第05回>
複製技術時代の芸術作品(復習)
- 機械複製時代とも
- コンピューター、ネットのない時代に先見性
- オリジナルとコピーの差異の消失
技術は芸術をどうするか
- 技術革新(写真と映画)が芸術作品をどうするか
- 商業化による価値低下(アドルノ)
アウラの喪失
- 「作品の真正性、歴史の承認、滅びていくのは作品のアウラだ」
- 「オリジナルがいま、ここにあるという現実がその真正性の概念を形成」
- 「いま、ここにあるという特性が複製には欠けている」
写真とアウラ:アジェのパリ
- 「自然の中で憩うものに訪れる一回限りの瞬間、我々ははるかなアウラを呼吸する」
- 「写真は現実からアウラを取り去る」
- アウラなき世界を写したアジェ
- アジェ...オールドなパリ、失われた風景を残した写真家
映画とアウラ
- 映画は現実を見る「まなざし」を形成
- 外科医/呪術師~撮影技師(映画監督)/画家
- 映画の両面
- 前衛芸術
- プロバガンダ(→特定の思想によって個人や集団に影響を与え、その行動を意図した方向へ仕向けようとする宣伝活動の総称)
- 「映画は、、、知覚・判断能力を、また反応能力を、ひとが練習することに役立っている」
構造主義
- 人間文化のあらゆる要素は、記号体系を形成していてそれを支配する統一的な方法がある(意味の中心)
- 言語:ソシュール、神話:レヴィ・ストロース
ソシュールの言語理論
- フェルディナン・ド・ソシュール(1857-1913):スイスの言語学者
- 言語は差異の体系である
- 言語の各要素を独自なものにするのは、体系としての言語内の要素
ソシュール用語集
- 言語は記号の体系(システム)
- 形と意味の関係は恣意的な約束ごとによる
- 言語は、言語の外部に存在するカテゴリーに独自の名前を与える命名法ではない
- 言語は慣習的な体系~それぞれの連想の束
- 言語学の対象はラング(言語の体系)である
- 共時的な言語研究が中心
構造の事例としての比喩
- 言語は基本的に比喩的
- 「文字通り」と「比喩的」には区別がない
- 比喩(特にメタファー)は基本的なものの知り方の一つ
- 完全に一致せず、不調和感は否めない
- 立ち止まり考えさせる、文学的な力と評価の源泉の一つ
比喩の四大転義法
- メタファー(隠喩)*
- メトニミー(換喩)*
- シネクドニ(提喩)
- アイロニー(反語)
表現とメッセージ
- 形と意味
- 意味するものと意味されるもの
- シニフィアン(前者)とシニフィエ(後者)
- 前者を考察するのが記号論的
私は物を信じない、関係を信じる
- ジョルジュ・ブラック(1882-1963)
- フランスの画家、ピカソとともにキュビズム(近代派)の代表
以上