4/23 交流文学論1 <第2回>
言語論的展開(linguistic Turn)
- 人間は意識より言語の枠組みにとらわれている
- 何から出発してものを考えていくか
- 意識<言語<情報
- 情報論的展開
観光研究の中の文学理論
- アーリ「観光のまなざし」
- まなざしは社会化され構造化されている
- まなざしというのは記号を通して構築されている
- 私たちが見えるものは種々の記号は観光のクリシェである
- パリの恋人という様な記号は換喩として働く
伝統的批評1
道徳的批評
- 作者の読者に対する教育的なメッセージを読み解く
- 社会の中の様々な「怪物」を巡る、道徳的、教育的な物語
伝統的批評2
フライの神話批評(Myth Criticizm)
- ノースロップ•フライ(1912-1991)カナダの文芸理論家
- 作品の中に頻出する
- 特定のイメージ
- 筋のパターン
- 登場人物のタイプ
などを「原型」として解釈
原型(Archetype)
- 人間精神(≒集合的無意識)に潜在的に蓄積され神話や夢として現れたもの
- フライにとっては何よりテキスト上に存在
- ユングの集合的無意識として精神分析批評との関わり
- ニュークリティシズムとの関連でフォルマリズム、構造主義との関わり
提起する問題の識別
- 何を根拠にするか
- どの枠組みで考えるか
- 観点識別の為のヤコブソンのコミュニケーション模式
- ロシアフォルマリズムであり二項対立、構造主義、ポスト構造主義の先触れ
ヤコブソンのコミュニケーション論1
言語コミュニケーション6機能図式
- コンテクスト
- 発信者-メッセージ(受信)-受信者
コンタクト(接触「交話」)、コード(メタ言語)
ヤコブソンのコミュニケーション論2
文学における6つの要素
- 背景(時代)感覚
- 地域情報
- 作者-作品(テキスト)-読者
- [媒体、メディア]
- ジャンル、様々(詩、小説、エッセイ、戯曲、日記、フィクション、トラベルライティング)
ヤコブソンの機能図式3
- コンテクスト(旅行会社、政策、行政、プランニング、余暇、リゾート、まなざし)
- ホスト(観光地、観光社会住民)ーメッセージ(観光文化、楽しみ、トラベルライティング)ーゲスト(旅客)ー媒体(交通、情報)ーコード(宿泊、真性性、国内•国際観光、トポス)
英米ニュークリティシズムとロシアフォルマリズム
- NC-実践批評
-テクストの自機的統一
- RF-方法
-科学
-形態と内容の差別
フォルマリズムの歴史的発展
- ロシア革命前後の形式主義的研究の発展
- 未来派、象徴派/現実派
- マルクス主義理論(2章)
- 人の移動と思想の伝播
技巧としての芸術
- 文学性≒詩歌性(技巧性)
- 実用言語と文学言語の区別は可能か
→構成性?
- 作家の技巧
- 異化→普段見慣れたもの(習慣)からその日常を剥ぎ取り新たな光を当てる事
何でも異化できる
- 犬はエスカレーターでは抱きかかえなければいけない(ロンドンメトロの注意書き)
→絶対に?どの様に?
- 文学的言語として読む事の誤読か?→×
- 観光的言語として読む事の自由
ロマン主義による自然の異化
- ものの見方、見え方(まなざし)を規定する「~主義」
- 観光のまなざしの代表例としてのロマン主義
- 自然はいいものだ、自然に帰れ
- 18c、イギリス
- テーマとしての旅、幼年、愛、追放
露出(前景化)
- ある要素や属性を強調し読者の注意を惹きつけるように際立たせる方法
- スターン、ブレストらの作例
物語(ナラティブ)
小説の核はストーリーではなくプロット?~土産話
- ストーリー(時間順)
- 出来事が時間に沿って並んだもの
- 妻が重い病気になった、夫は毎日泣くようになった
- プロット(因果関係)→技法として高度
- 出来事を再構築したもの、あらすじ
- 夫が毎日泣くようになった、理由は妻が重い病気にかかったからだ
以上