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11/07/04/5

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講読「インドネシアにおける世界遺産の観光」

1.はじめに

  • 観光は外貨獲得、雇用機会、所得の増大、地域振興などの手段として注目されている産業
  • 近年は政治的利用も
  • 本章では特に国際観光の進展と地域の人々の関係に着目し、世界遺産観光について考える

2.世界遺産と国際観光

  • 世界遺産の目的は、普遍的な価値を有する人類共通の財産を次世代に受け継いでいくことの意義を確認・共有し破壊や消滅から守り、国際的な協力によって保護保全すること
  • 世界遺産登録されることで注目を集め、観光地化される
    • ホスト<ゲストの構図。世界遺産に登録されることでの問題の一つ
  • 遺産は観光の対象として価値づけがなされ、その価値を共有してこそ引きつけられる
  • 世界遺産への登録は保護保全だけでなく、具体的な地域の中で遺跡や自然景観が観光の資源としての価値が定められ商品となっていく過程において重要

3.インドネシアにおける観光奨励

  • 広大な変化に富む国土、複雑な層をなす歴史、多様な民族集団の文化や地方的な民族や生活様式は有力な観光資源となりうる
  • インドネシアの観光の歴史
    • 70年代初期:観光による外貨獲得という国家的な方針
    • 80年代:観光が「もっとも重要な経済部門」となる
    • 2000年ごろ:観光文化省発足。「インドネシア訪問2008キャンペーン」を実施
  • 観光推進には2つの目標
    • 経済開発の方策としての観光
    • 国民意識の醸成という政治的思惑
      • 観光をきっかけに国や文化を見直すことは国民全体の自尊心を生み、帰属意識を抱かせる

4.世界遺産を観光する

  • ボロブドゥール
    • 紀元8-9世紀に造られた世界最大級の大乗仏教の石造遺跡
  • プランバナン
    • 東南アジア地域で最大のヒンドゥー教寺院群
  • 上記2つの遺跡にラトゥボコを加えた3つの遺跡を合わせて遺跡公園となっている
    • 周辺では民芸品が売られている
    • 入場料10米ドル(土産物屋の1日の売上に相当)
  • ツーリストは意味づけとそれを見るまなざしが変わりうるという意味において遺跡を見ている
  • 私たちは現代という特定の時代のまなざしでとらえ、言葉で語られる「古代遺跡」を観光している

5.囲い込まれる世界遺産と排除される人々

  • 世界遺産の公園化
    • 遺産の値打ちに加えて安全で快適という観光用の付加価値がツーリストに向けて示される
    • 公園化という囲い込みによって遺跡が周囲の地域社会とは切り離されていく(公園内は非日常)
  • 世界遺産の直近の人々は周辺化されていく
  • 遺跡公園内外で地元民と外国人ツーリストとの間に国際ツーリズムのヒエラルキーが生じる
  • 途上国の観光地での現地民による土産物売りは外国人のニーズに合っていない→本当か?

6.おわりに

  • 観光はグローバル化の一つの産物であり大きな役割を果たす
  • 途上国への国際観光の進展が地域に与える影響について考えることが重要