うまく無線LAN接続できないPCあり
MURAMASAはだめだったので他のをもう1台購入する予定
私たちが「覚えている」と思っている過去の記憶も、実はかなりの程度あいまい
・認知心理学者の高橋雅延氏の指摘
私たちは「想起する記憶内容の一部を選択し、再構成している」。
繰り返し思い出すことで「虚偽の記憶」が現れる。
「暗黙理論」(必ずしも明確な科学的根拠がないにもかかわらず、世間では信じられている知識や概念)がその記憶のゆがみに影響
自己を形成するのに、「記録」というメディアが重要な役割を果たす。記録をもとにした他者への語りを通じて、「今の自分」に接続される自己物語を生成する。
記憶するべく記録したことがふたたび記憶を引き出すために用いられるとき、自己物語の生成というプロセスが介在する。(ex.日記)
「記憶」→メディアとして保存→「記録」→物語の生成→「記憶」→・・・のループ関係
「バーチャルなわたし」はそのループ関係の一つの現れ。わたしが何ものであるかをデータとして保存している。
通話履歴やアドレス帳を見返すことは、「わたしがいかなる関係に開かれるべき存在であるか」を確認するための、自己物語を生成するプロセス。
ループ関係における問題
1.「わたし」そのものにかかわる問題
ループ関係を作動させる力の源泉がない。つまり「わたし」という存在が「はじめからそうであったもの」を語るだけの存在になりかねないということ。例えば「虐待」が偽りの記憶によって生成された自己物語であった場合、その偽りの根拠は自己物語を生成する主体の欲望。その欲望する主体が盲点化されるとき、自己物語は、「わたしがありたいわたし」についての根拠を無限に再生産するだけのプロセスにしかならない。
盲点化された「わたし」はどこへ?
・前段落の問いについて、社会学者浅野智彦氏の指摘
「機能不全家族」理論こそアダルト・チルドレンの欲望であり、理論の方がもとあった欲望の再生産に寄与する。
自己物語がひとりの人間の中に完結してしまうとき、「他の物語はほんとうにあり得なかったのか」という可能性が見えなくなってしまうため、もとあった欲望を欲望するだけの自己物語が生成される。
「その物語」を語る理由は、隠される必要・他にはあり得なかった物語として承認される必要(閉鎖性)がある。ここで自己物語は、「語るわたし」の欲望を盲点化し、宿命決定論を呼び出すものとして機能。
作者の関心:この宿命決定論が、情報化によって蓄積されたわたしのデータに基づいた、端的な事実として受け入れられていく傾向が、現代社会において見出せるのではないか。
わたしの行いはわたしが行ったものではなく、「わたしの中の悪魔」がわたしにそうさせたという主張について
・心理学者下條信輔氏の指摘
「責任」概念が、古典的理念と近代的責任概念の混合で成り立っているため、人は社会的な要因によって生成された自分の行為について、その要因を極大化することで責任をとれなくなってしまう。
上の困難を乗り越えるため、現実には「科学的な事実」を担保にそうした責任概念の蒸発を防ごうという方向か。(ex.性犯罪者のテクノロジーによる管理)
宿命決定論=「わたしの中の悪魔」はわたしにはどうすることもできない、といことを宿命として受け入れよという議論
情報化の進展は、「語るわたし」の盲点化を徹底し、自己物語すら求められなくなっている。